2018.03.22
Alex Woodie 著

IBM iの最大の懸念事項は依然としてセキュリティ HelpSystems社の2018年版調査

今週、HelpSystems社は、待望のIBM iインストール ベースについての年次調査をリリースしましたが、IBM iのショップでの最大の懸念事項は依然としてセキュリティであるとのことです。しかし、セキュリティが議論の中心を占める一方で、ほとんどのIBM iのショップには、セキュリティ対策に関する具体的なプランがまったくないことが調査から明らかになっています。

HelpSystems社は、2014年に年次の「Marketplace Survey」を開始し(最初の調査の公表は2015年初め)、同調査は何年にも渡ってIBM iインストール ベースについてのデータとして最も多く引用される資料の1つとなっています。その他にも調査を実施しているベンダーはあり、『IT Jungle』でも、それらの調査結果を記事に取り上げ、それらのベンダーが収集したデータを使用しています。しかし、HelpSystems社の年次調査は他の調査よりもいくぶん重みがあります。それは1つには回答率の高さによるものかもしれません。

今年の調査(HelpSystems社は公式に月曜日にリリースし、昨日、ウェビナーでディスカッションを実施)は、回答者数が2017年の500人から増え、650人となったことも注目すべき点と言えます。「2018 IBM i Marketplace Survey」では、2017年の調査と同じフォーマットが使用されており、前年比での比較が行いやすくなっています。

たとえば、この調査は、IBM iオペレーティング システムのディストリビューションおよびPower Systemsハードウェアの使用が、予想通り、時間とともに多かれ少なかれ進展していることを示しています。

OSの分野では、IBM iバージョン7.1が依然としてインストール ベースの大半を占め、2018年レポートの調査回答者の44.1%がIBM i 7.1を使用と回答しています。前年は52.1%でした。IBM i 7.2の使用は、実に30.2%から28.3%へと前年に比べて減少しています。これに対し、IBM i 7.3の使用は4.8%から15.6%へ急増しました。非サポートOSについては、IBM i 6.1の使用者数は3.3%減少して5.1%となり、i5/OS V5R4の使用者数は2017年から2018年にかけて3.2%で変わりありませんでした(これは興味深く、意外なことですが、一部のミッドレンジ ショップがお使いのマシンにどれほど愛着を抱いているかが見て取れます)。

製品情報01

HelpSystems 「2018 IBM i Marketplace Survey」 ハードウェア分野では、Power8世代マシンの使用は40%から46%へと急増しています。一方、Power7世代マシンは約56%で、変わりありませんでした。旧型のPower6マシンの使用は22%から15.5%へ減少し、一方、Power5マシンを所有しているとの回答は約24.1%だけでした。

IBM iのショップが稼働するシステムの数についても、また、使用しているパーティションの数についても、多くの変化はありませんでした。同様に、非IBM iマシン(たとえば、Windows、AIX、およびIntelベースおよびPowerベースのLinux)のユーザーも、前年と比べてあまり変わりませんでした。

人員の面では、あまり多くの変化はありませんでした。2017年には、開発者がいないと答えた回答者は9.3%だけでしたが、2018年には、その数は5.5%まで減少しました。2017年には、回答者の約16%が管理者スタッフはいないと回答しましたが、2018年には、管理者なしでの稼働との回答は11.4%だけでした。2017年と比べて、アウトソーシングを検討していないとした回答者は減少しており(2017年の75.6%に対して今年は70.9%)、実際にアウトソーシングを利用との回答は約1%増え、10.6%となっています。給料についての項目がない、とお思いの読者もおられるかもしれませんが、2018年の調査項目には含まれませんでした。

ERPおよびビジネス アプリケーションの普及状況については、この1年で多少の変化が見られました。SAPの使用は約7.2%でほぼ変わらず、Inforの使用は0.5%減少して17.9%となりましたが、Oracle JD Edwardsの使用は1%増加して10.9%となりました。FiservおよびMedHostの使用は多少増え、Jack Henry、TMW、McKesson、およびManhattan Associatesの使用は減少しました。独自の社内アプリケーションを開発しているとの回答は、65.4%から70.1%へ増加しています。これはかなり重大な変化であり、さらに詳しい調査を実施する必要がありそうです。

IBM iのショップの間での一番の懸念事項という点については、あまり多くの変化はありませんでした。セキュリティが2年連続でトップとなり、調査回答者の72.0%が一番の懸念事項としてセキュリティを挙げました。昨年からわずかの増加です。

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HelpSystems 「2018 IBM i Marketplace Survey」

法規制への対応という点については、同ベンダーによれば、IBM iのショップの40%はどのような法規制に対しても対応を行っていないと回答しているとのことです。対応が必要との回答が最も多かった業界規制は、Sarbanes-Oxley(30.6%)、PCI-DSS(23.9%)、およびHIPAA(18.7%)でした。GDPR(今年5月に完全施行されるEUの規則)に対応するとの回答は11.9%のみでしたが、予想より大きな影響が出てくるのではないかと思われます。

上述の40%という数字に関して、HelpSystems社は次のように述べています。「いくつかの規則(たとえばGDPR)が実際どれくらい広範囲に影響を及ぼすか組織が実感し始めるのにつれて、そして、他の業界、州、および国が、サイバー攻撃に対して対策を講じるためにさらなる規則を制定することに目を向けるのにつれて、この数は減少してゆくと思います。」 2018年のレポートでHelpSystems社は、セキュリティの問題についてもう少し深く掘り下げ、現在、実際にどのようなセキュリティ対策を実施しているか、そして、今後、どのようなことを行う予定かについても調査を行っています。現在、最も多く導入されているセキュリティ ソリューションは、特権ユーザー管理(49.5%)、コンプライアンスおよび監査レポート(45.7%)、およびセキュアなマネージド ファイル転送(43.7%)でした。

HelpSystems社は、いくつかあるトピックの中でも、セキュリティをめぐる意識が高まっているのも当然だということを特に述べています。「また、特にセキュリティに関しては、これらはIBM iに限ったことではないとも思います」と同社は述べます。「脅威は高まり続けているため、多くの組織が経験豊かなセキュリティ スタッフを見つけるのに苦労しています。2018年が、IBM iの組織が行動を起こす年になることを願います。」(今年の後半に同社の子会社のPowerTech社による「State of Security」レポートが公開されますが、そこでセキュリティへの投資の意向が現れるようになっているかどうかは興味深いものです)。

懸念事項のリストで2番目となったのは、ハイ アベイラビリティーおよびディザスター リカバリーで、回答者の56.8%がこれを挙げました。昨年からは約3%の減少です。HelpSystems社は、以前は行ったような、HAの使用に関してのベンダーおよび製品ごとの分類を行いませんでした。HelpSystems社によれば、回答者の49.9%がハイ アベイラビリティー セットアップを導入していると回答しているとのことです。HAを導入しているとの回答が48.8%だった2017年からわずかに増加しています。テープの使用は、約3%下がって30.5%でした。データをボールト サービスへバックアップするとの回答は1.5%増え、9.9%となりました。一方、ディスクベースのバックアップの使用は7.2%へと大幅に増加しています。 2016年における最大の懸念事項であったアプリケーションのモダナイゼーションは、2年連続で懸念事項リストの3番目でした。2018年には5%を超える伸びを示し、54.4%となりました。

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HelpSystems 2018 IBM i Marketplace Survey

モダナイゼーションという点では、5250グリーン スクリーンが現在もメイン アプリケーションであると認めるショップの数は、実際、31.8%から33.8%へ増加しています。一方、メインの5250ベースのアプリケーションに加えてWebインターフェースを使用していると回答したショップの数は27%から24.9%へ減少しています。明らかに、グリーン スクリーンは、決して終わったというわけではないようです。

言語が混在して使用されている状況については大きな変化はありませんでした。RPGが今でも新たなアプリケーション開発の中心であり、回答者の87.5%がRPGを使用していると回答しています。次いでSQLで74.2%でした。Javaの使用は約3ポイント増え、45.7%になりました。一方、.NETは約5ポイント増え、約30%にまで急増しています。オープンソース ソフトウェアでは、PHPの使用はわずかに減少し、31%となりました。一方、Node.js、Git、およびPythonの使用は3~5%の増加でしたが、いずれも約11%前後に留まっています。

一部またはすべてのアプリケーションをこのボックスから他へ移行しようとしていると回答するIBM iプロフェッショナルの数は、2018年には2.5%増加して約10%となりましたが、HelpSystems社のデータによれば、このプラットフォームを離れる大量の移行はまだ起こっていないようです。移行を検討している人々の中では、Windowsと比べてAIXおよびLinuxへの移行を検討しているとの回答が以前と比べて増えていることが見て取れます。

HelpSystems社によれば、IBM iの展望は非常に明るいようです。「IBM iのROIは高いと考えるIBM iユーザーの数は、前年比で、これ以上ないほど安定しています。そして、このことは市場が高度に安定的であることを示しています。調査回答者の72%がヘテロジニアスなIT環境で作業しているため、IBM iと使用可能な他の選択肢とを比較しやすい環境にあると言えます。製品についてのそれほど高いユーザー満足度は、本当に注目に値するものであり、市場は真摯に受け止めるべきです。」

HelpSystems社の技術ソリューション担当バイスプレジデント、Tom Huntington氏は、『IT Jungle』のTimothy Prickett Morgan、IBMのAllison Butterill氏およびIan Jarman氏とともに、調査結果を基にしたウェビナーを実施しました。そのウェビナーは、HelpSystems社のWebサイトで視聴できます。

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