2018.05.10
Dan Burger著

届き始めたDominoユーザーの声

IBM Domino/Notesユーザーに、ようやく注目が集まっているようです。彼らは5~6年の間、壁に向かって叫び声を上げては、壁をどんどん叩いているだけのような状況だったのですから、そろそろ彼らの声に耳を傾けなければいけない時が来たということなのでしょう。IBMは彼らのことをほとんど忘れていました。状況が改善したのは、IBMが開発およびマーケティング業務をHCL Technologies社へ譲渡してからようやくのことでした。そうなったことによって、どれほど違いが生じたことでしょう。

先週のウェブキャストでは、声のトーンは非常に明るいものでした。開発面で進展があったこと、財務面では投資がなされたこと、そしてもう後がないところから製品ラインを復活させようという熱意を画面から見て取ることができました。まだまだ先は長いですが、上へ向かうしか、進む方向はありません。

「Dominoは、今、必要とされるだけの注目を集めています。Dominoコミュニティの声に、人々が耳を傾けてくれています。我々は、長い間、Domino環境における経営体制の変革を必要としてきました」と、Notes/Domino分野を専門とするコンサルタントのKim Greene氏は述べます。彼女は、以前はLotusブランドであったNotes/Dominoに投資したIBM iのショップの、良い時も悪い時も見てきた人物です。「HCL社とのパートナーシップは極めて重要になります。開発がIBMに残されていたとしたら、Dominoは終わっていたでしょう。」

IBMはちょうど4か月前、コラボレーション スイート製品の開発業務をHCL社に委託しました。製品開発者の中核メンバーが一緒に異動となったことで、確かにHCL社はすぐに態勢を整えることができたようです。開発者たちは手かせが外されたかのように感じているに違いありません。Domino v10のリリースは、今年の後半、おそらくQ3に予定されていますが、それに向けて行わなければならないことはたくさんあります。先週のウェブキャストでは、開発チームがこれまでに実現してきたこと、そして、それがどのような形で長期的なロードマップに収められるようになるかについて、ちらりとですが初めて目にすることができました。これから進むべき進路として、アジャイル開発がしきりに推奨されています。アジャイル開発の工程には、コードの公開、プレベータ、ベータでの事前テスト、フィードバック、考慮事項、途中での調整などがあります。それらは良い兆候です。

ウェブキャストの中で取り上げられたテーマの大半で熱弁を奮っていたのが、IBMコラボレーション ソリューション部門のDominoポートフォリオ担当製品およびマーケティング戦略ディレクターのAndrew Manby氏と、開発およびサポートの責務を担う、コラボレーションワークフロー(前Domino/ Notesポートフォリオ)担当GMのRichard Jefts氏の2人でした。IBM Watson Talent and Collaboration Solutionsのゼネラル マネージャーのBob Schultz氏は、最後に、簡単な紹介を付け加えてプレゼンテーションを締めくくりました。

技術的な観点から見れば、これら3名のエグゼクティブたちは、最新のツールおよびフレームワークに短期的なフォーカスを置き、既存の制限事項を撤廃し、コア パフォーマンスを向上させたと言えそうです。それらの項目は2017年末から2018年初めにかけて行われた一連のDomino Jamsの後で決定されたものでした。この一連のイベントの間に、約22,000名のユーザーから意見が寄せられました。そうしたフィードバックが、製品のビジョンおよびロードマップを確立することにつながったと、エグゼクティブたちは述べます。

特にDomino v10に関するものとして公式に発表されたわけではありませんが、今年の秋にはデータベース サイズが64GBから256GBへ大幅に増化することが明らかになったようです。また、オープン標準へ向けての第一歩として、そしてモバイル アプリケーション重視の姿勢を示すものとして、JavaScriptおよびNode.jsのサポートも目にすることになりそうです。モバイル デバイスで使用できるアプリケーションを増やすことが優先事項であるのは明らかなことです。

Node.jsサポートは、顧客からのフィードバックの中で、1番必要とされていたテクノロジーでした。Nodeは、JavaScriptアプリケーション向けの先進的なオープンソース フレームワークおよびランタイム環境の1つです。Nodeにより、プログラマーはJavaScriptでクライアントサイドおよびサーバーサイドの両方のコードを書くことができるようになるため、Webアプリケーションをよりレスポンシブにすることができ、性能も向上させることができます。Nodeは、モバイル アプリケーションの鍵となる技術であり、おそらく今後のDominoスキルにおける重要な1つの要素となってゆくと思われます。今日のJavaScriptおよびNode開発者の豊富なスキルは、それらの技術がDominoに導入された後でも、Domino開発者の不足を補ってくれるかもしれません。

「ユーザーがDominoを使い続けるのは、アプリケーションのお蔭でした。Notesのメール アプリケーションは他のメール アプリケーションほど強力ではありませんが、Notesには素晴らしいワークフロー アプリケーションがあります」とGreene氏は述べます。「そして、今日では、アプリケーションはモバイルをサポートする必要があります。モバイルはDomino開発環境の一部分になり、時間を掛けてDominoとNode.jsとを撚り合わせてゆきます。今日がその第一歩です。アプリケーションをモバイル対応にすることは大変な作業です。けれどもそれはプラットフォームを救うものです。」

どれほど短期間でモバイル アプリケーションを提供することができるかは分かりませんが、これを行う上では、ビジネス パートナーをどれだけ頼りにできるかが大きく物を言います。これを投資の不足とみなす向きもありますが、近頃ではパートナーが製品開発において果たす役割は大きいものになっています。IBM i環境が良い例です。

Domino開発がどのように展開されるかという観点からは、機能強化のアナウンスの際、IBM iユーザーが他のプラットフォームの二の次にされるのを目にすることがありますが、Greene氏によれば、ここではそのようなことにはならなさそうです。

「様々な物事が複雑な形で統合されていることから考えても、Windowsユーザーにフィーチャーが利用可能となってからしばらくして遅れてIBM iユーザーに利用可能になる、といったことにはならないと思います。狙いは、コアとなるDomino機能の強化にあるのであって、プラットフォームによって異なるようなところはないからです。Windowsが最初に注目を浴びるようだと思わせるようなものは何も私は目にしていませんし、そのような話にまつわる不満についてもまったく耳にしていません。」

アプリケーションをクラウドにホスティングすることは、ウェブキャストでその概要が示されたロードマップの中でも優先度の高い機能強化です。そこは競争が激化している分野です。Dominoコラボレーション スイートの中で、現時点ではメールだけがクラウド対応です。クラウドに置くアプリケーションを増やすことはロードマップに載っていることではありますが、Greene氏は、自身のIBM iの顧客はまだアプリケーションをクラウドに移す気になっていないと述べます。そして短期間で重要視されるようになるとは思えないとのことです。

「私にとって重要なことは、Dominoが今、必要としているだけの注目を集めているということです」と彼女は述べます。「ウェブキャストで述べていたように、新たな機能の一部はすでにコーディングを終えています。これは投資が行われた証しです。彼らがすでにコーディングし終えたもの、そしてコーディングが必要だと彼らが主張しているもののために、この4か月間だけで、IBMがこの5~7年の間に投資したよりも多くの金額がDominoに投資されたのです。」

V10のことを、3人のエグゼクティブたちは「将来のための投資の分割払い」と呼んでいます。この言葉には、未来がv10の先に続いているということが意図的に示されています。しかし、今のところは、一日一日着実に、一歩一歩着実に歩みを進めるだけです。

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