AS/400技術戦略

e-Businessへの架け橋
by Sharon Hoffman
Duke Communication Internationals, Ltd.


AS/400 開発者にとって、2000 年 10 月 3 日に IBM が発表したソフトウェア・コンポーネントの中で最も興味深いものは、Connect for iSeries (iSeries Connect) という新しいライセンス・プログラム製品 (LPP) でしょう (10 月 3 日に発表された IBM のブランド再編構想の一環として、AS/400 の新モデルは eServer iSeries 400 モデルに名称変更されました)。iSeries Connect の目的は、AS/400 版の DB2 ユニバーサル・データベース (UDB/400) に格納されたデータや、既存の RPG プログラムなどの iSeries 400 リソースへのアクセスを容易にすることによって、e-business ソリューションを構築するプロセスを単純化することです。iSeries Connect のプラグインとコネクターを使用して、バックエンドのビジネス論理と、フロントエンドの Web 対応ユーザー・インターフェース (オンライン・カタログなど) の間で情報を転送するアプリケーションを開発できます。

e-business アプリケーションは通常、アプリケーションの各部分が別々のシステム上で実行される多層設計を使用するので、アプリケーション・コンポーネント間の通信機能は重要です。たとえば、オンライン・カタログのエントリー・ポイントとなる Web ブラウザーは通常 PC クライアント上で実行され、ショッピング・カートの処理は Web サーバーとして機能する RS/6000 や iSeries 400 上で実行され、注文を処理するためのビジネス論理は通常 iSeries 400 などのバックエンド・サーバー上で実行されます。このようなマルチスレッド・インプリメンテーションが行われていることが、アプリケーションを区分化してそれぞれの主要機能ごとに独立したプログラムを作成する理由の 1 つです。ただし、アプリケーションを有効に区分化するには、区画間で情報を渡すための手段 (できれば、高度に標準化された手順) が必要です。iSeries Connect は、e-business アプリケーションのためにこの役割を果たします。それでは、iSeries Connect が提供する機能と、この製品が e-business への移行をどのように容易にするのかを見ていきましょう。

パズルのピース
iSeries Connect には、MQSeries、Plug-n-Connect、Electronic Catalog、Tools の 4 つのコンポーネントがあります。これらのコンポーネントはすべて協調して動作し、e-business アプリケーションの構築と、これらのアプリケーションを既存の AS/400 のビジネス論理に組み込む作業の複雑さを軽減します。これら 4 つのコンポーネントは、iSeries Connect の機能を調べるために便利な構造になっています。

MQSeries コンポーネントは、iSeries Connect を駆動するエンジンです。これは、IBM の戦略メッセージング・ソフトウェア MQSeries の特別ライセンス・バージョンです。MQSeries は、2 つのアプリケーションが単一のプラットフォームにあっても異なるプラットフォームにあっても、アプリケーション間で確実に情報を伝達する手段となるので、アプリケーションの区分化につきものの問題の多くに対処できます。概念上は、MQSeries はセキュリティーの高いクロス・プラットフォームのデータ・キューと考えることができます。

iSeries Connect には、AS/400 版 MQSeries と iSeries 400 の両製品が完全に組み込まれていますが、用途は iSeries Connect アプリケーションだけに制限されています。つまり、iSeries Connect を使用して e-business アプリケーションを実行することはできますが、MQSeries の用途を他のアプリケーションに広げたい場合は、フルバージョンの MQSeries LPP を購入する必要があります。iSeries Connect の価格はフルバージョンの MQSeries LPP よりもかなり低く設定されているので、このことは重要です。

AS/400 ショップは、この低価格なエントリー・レベル・バージョンの MQSeries を単独で使用して e-business を立ち上げることもできますが、MQSeries は複雑な製品なので、開発にはやはり大きな労力が必要になります。iSeries Connect の Plug-n-Connect コンポーネントは、エンタープライズ・リソース・プランニング (ERP) ソリューションなどのビジネス・アプリケーションを、重要な e-business アプリケーションの e-marketplace に接続するためのモデルを提供することで、この複雑さに対処しています。

e-marketplace は、サプライヤーと購入者を 1 つの電子フォーラムに集めます。e-marketplace ソフトウェアには、オンライン調達、カタログ管理、電子注文入力などのアプリケーションが組み込まれています。e-marketplace ソリューションはビジネス間取引に重点を置いており、通常は業界や製品カテゴリー (例: オフィス用品) 固有のものです。e-marketplace は非常に幅広く、大規模な業界の関係者をすべて含む場合もあれば、わずか数社の密接に関連した企業によって共有される場合もあります。

e-marketplaces と既存の AS/400 ビジネス・アプリケーションとの間を接続するために、Plug-n-Connect コンポーネントは 2 つのフレームワークを組み込んでいます。1 つはビジネス・アプリケーション用で、もう 1 つは e-marketplace 用です。Plug-n-Connect のフレームワークは Java アプリケーションであり、IBM がフレームワーク用のインターフェースを公開しているので、開発者は iSeries Connect に対応するソリューションを独自に作成できます。

e-marketplace フレームワークには、特定の e-marketplace オファリング用のプラグインが必要です。e-marketplace は多数ありますが、主要なソフトウェア・ベンダーは数社しかないので、必要なプラグインは比較的少数です。IBM は現在、iSeries Connect の一部として Ariba e-marketplace 用のプラグインを提供しています。また IBM は、独立ソフトウェア・ベンダー (ISV) による追加プラグインを公開する Web サイトを開設します。フレームワークのインターフェースは公開されているので、ソフトウェア・ベンダーはカスタム・ソリューションを使用する e-marketplace 用のプラグインを作成することもできます。

ビジネス・アプリケーション・フレームワークは、MQSeries、OS/400 データ・キュー、プログラム呼び出しなどの手段を使用して、バックエンドのビジネス論理に接続します。将来は、公開されている iSeries Connect フレームワークに準拠したカスタマイズ済みコネクターが ISV によって供給されることを IBM は予想しています。たとえば、SAP R/3 の注文入力トランザクションを開始するコネクターが考えられます。プラグインと同様に、ISV が独自のコネクターを公開できる Web サイトが開設される予定です。また IBM は、アプリケーション固有のコネクターの作成プロセスを簡単にする ERP Connector Templates も提供する予定です。

Plug-n-Connect が提供する構造を使用しても、e-business アプリケーションを構築する作業は複雑です。iSeries Connect の Electronic Catalog コンポーネントは、最も一般的に行われる作業の 1 つである、インターネット上で公開する製品カタログの作成を行います。iSeries Connect を使用してカタログを作成する際に、個々のカタログ・エントリーの情報を UDB/400 から検索することも、統合ファイル・システム (例: Domino データベース) に保管されているファイルから検索することもできます。カタログを作成する際には、製品写真、出荷コスト、サイズ情報など、製品データベースからの情報を追加できます。iSeries Connect の電子カタログは、ショッピング・カートなどのストアフロント機能や関連機能を自動的にはサポートしません。ただし、WebSphere Commerce Suite などの開発ツールを使用して作成されたストアフロントに、カタログを組み込むことができます。

最後に、iSeries Connect の Tools コンポーネントが、e-business アプリケーションにつきもののさまざまなシステム管理タスクを単純化します。このコンポーネントは、インストール・ツールと構成ツールを備えており、MQSeries キューのセットアップ、Web アプリケーション・サーバーの構成、プラグインとコネクターの更新の検索などといったタスクを処理します。このコンポーネントは、プラグインとコネクターの作成を援助するツールと、アプリケーション・コネクター・ドキュメント (ACD) を作成するためのウィザードを含んでいます (ACD は、バックエンド・アプリケーション (例: 注文入力) のパラメーターをマップします)。

将来の方向性
4 つの iSeries Connect コンポーネントを組み合わせて使用すれば、e-business の開発を他社に先駆けて始めることができます。ただし、iSeries Connect は本格的な e-business ソリューションではありません。IBM は、ユーザーが e-business に習熟してさらに高度なツールが必要になったとき、ユーザーが iSeries Connect を WebSphere Commerce Suite などの他製品にアップグレードすると予想しています。iSeries Connect からのアップグレード・パスは現在定義されていませんが、IBM の計画では、他の IBM 製品にアップグレードするユーザーにも、サード・パーティー製のツールにアップグレードするユーザーにも魅力的な価格のアップグレードが提供されます。

初期の iSeries Connect オファリングは AS/400 専用ですが、iSeries Connect は Java や MQSeries などのクロス・プラットフォーム技術を使用しているので、将来 IBM がこのオファリングを他のサーバーに拡張する可能性はあります。IBMによれば、 iSeries Connectを他のプラットフォームに拡張する構想を進めているとのことです。 さらに、iSeries ConnectのWebイネイブル、クロスプラットフォーム性能を強調するためにWebSphereソフトウエア・ファミリーの一部にブランド再編を行う可能性があります。





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