AS/400展望台

V5R1で強化された印刷機能



By Sharon Hoffman, Duke Communications International, Inc.
ペーパーレス・オフィスは、未だ現実的ではありません。しかしそれでも、今日では多くの文書が世界中の社員や顧客に電子的に送達され ています。この新しいビジネス方式に適応するには、印刷出力を作成・管理する新しい方法が必要です。V5R1には、iSeriesアプリケーション 用と新しい2つのライセンス・プログラム・プロダクト(LLP)用の出力オプションを最新化できる一連の印刷機能強化ツール、 Infoprint Server for iSeriesとInfoprint Designer for iSeiresが含まれています。また、OS/400およびIntelligent Printer Data Stream (IPDS)プリンターをサポートするPrint Services Facility (PSF/400)も新機能を提供しています。V5R1の印刷機能強化の内容は、 電子出力および電子レイアウト・ツールという2つの主要カテゴリーが中心です。電子出力(IBMでは「e-出力」と呼んでいます)とは、 電子フォーマットでの報告書作成、Eメールを介したそれらの配布などのタスクを実行するものです。ユーザーが印刷された報告書をかたく なに要求するような(未だに珍しくない)状況にあっても、開発者はe-出力を使ってより迅速、かつより管理しやすい形式で文書を配布する ことができます。たとえば、重要な報告書も、Eメールで送達されれば、出張中の管理職でもそれに目を通すことが可能になるのです。

おそらく、e-出力の最も理解しやすいタイプとして、一般に広く使われている.PDFファイルが挙げられるでしょう。現在、IBMのV5R1の プレゼンテーションからIRSフォームにいたるあらゆるものが.PDFフォーマットで使用できるので、ユーザーが、iSeriesの報告書も .PDFフォーマットで欲しいと思っても不思議ではありません。どんなファイルも.PDFに変換さえすれば、それをインターネットにポスト することもできれば、Eメールで同僚に送付することも可能です。つまり、手持ちのハードコピー文書の完全なポータブル・コピーを持つこと になるのです。.PDFサポートは、V5R1を使えばOS/400印刷に完全に組み込まれるようになります。

Infoprint Server for iSeriesとPSF/400は、iSeriesによる.PDFと出力の電子送達のサポートにおける重要なコンポーネントです。 この新機能を使えば、標準のiSeriesの出力ストリーム(すなわち、AFP, IPDS, SCS, OV/400)をすべて.PDFフォーマットに変換することが できるのです。PDFファイルはiSeries出力のビットマップ化されたイメージではありません。その代りにEBCDICテキストがASCIIに変換され、 検索機能が何ら影響を受けずに使用できることを保証したり、出力ファイルのサイズを縮小したりするのです。.PDF出力は、プリンター、 Integrated File System (IFS) ファイル、および直接Eメールに送信することが可能です。

また、Infoprint ServerはWindowsのイメージ・ファイル (.GIF, .TIF, .JPG) をiSeriesのイメージ・フォーマットに変換する機能も サポートしています。さらに、V5R1を使用すると、PCL, PostScriptおよび.PDFファイルを高機能印刷 (AFP) フォーマットに変換できるよう になります。
IBMとAdobeのジョイント・ベンチャーの成果であるこれらの変換機能は、iSeries以外にもxSeries, pSeries, zSeriesなど すべてのe-サーバー・プラットフォームで使用することができます。

Infoprint ServerのEメール機能には、たとえば報告書の異なる部分をそれぞれの部門担当者に送達する、といった 「ファイルをバラしてから綴じる」行為を電子的に行うセグメント化が含まれています。DDSキーワードがEメールのセグメント化を制御し、 PSF/400がそれを管理するのです。また、出口プログラムを使ってEメールの送達をさらにカスタマイズすることも可能です。

電子レイアウト・ツール

電子レイアウトはIBMのV5R1新印刷機能が持つもう1つの側面です。電子レイアウトは、ロゴや送り状などの静的要素を アプリケーション・プログラムが提供する動的要素と組み合わせるものです。納品書など、事前印刷された用紙に情報を印刷するプログラムを 書いた経験のある人なら誰でも電子レイアウトが持つ柔軟性を歓迎することでしょう。電子レイアウトによって、プログラマーの作業が 簡素化されるだけでなく、高価な事前印刷用紙を用意せずにすみ、用紙が余って捨てるような無駄もなくなるのです。また、電子レイアウト を使えば、図形やグラフなどの要素を簡単に追加できるため、文書の全体的な品質を上げることもできます。電子レイアウト・ツールは --- 特にMacintoshのシステム上で --- 何年間も幅広く使われてきましたし、モノクロ・ディスプレイ用の電子レイアウト・ツールすら 存在します。しかし、V5R1は、iSeries用の電子レイアウト機能を大幅に向上させているのです。

V5R1電子レイアウト機能の大部分を提供しているLPP、Infoprint Designer for iSeriesは、オーバーレイ、ページ定義などのOS/400固有 の印刷リソースを作成するフル機能のWindowベース型ツールです。Infoprint Designerを使えば、iSeriesのスプール・ファイルを インポートしてから、サンプル・データを操作し、同一のデータ要素を取り込んだ新しい文書を設計することが可能です。 新しい文書にも会社ロゴなどの静的要素を追加することができます。Infoprint Designer にはIBM AFPのフォント・コレクションが組み込 まれているので、OS/400のフォント表示を忠実に再現できるようになっています。Infoprint Designerを使ってプロジェクト・リソース (例: 用紙定義、オーバーレイ、ページ・セグメントなど)さえ作成しておけば、OS/400のプリンター・ファイルを既存のアプリケーション用 に変更・オーバーライドでき、ページ定義の使用や新しいバージョンの文書を印刷することができるようになります。

その他のV5機能強化

e-出力や電子レイアウトに対するV5R1の主要な機能強化に加え、印刷に関するさまざまな他の機能強化も見られます。特に、 [V5R1、多くのToolboxフィーチャーが追加]
http://www.e-bellnet.com/special/vision/vision_0107.html
で述べたように、IBMは、Java印刷機能を改善したり、XML文書、サーブレット、Java Server Pages (JSPs)などからのデータに基づいた 報告書を作成したりするための、新しいReport Writerのクラスを開発しました。Javaのきわめて評判の悪いお粗末な印刷機能を考えると、 この新しい印刷サポートは、iSeriesのJavaインプリメンテーションの差別化に貢献し、ビジネス・アプリケーションの開発に対する魅力を 高めることになります。他の2つの重要な機能強化、Internet Print Protocol (IPP)サポートとUnicodeサポートは、iSeriesの将来的な 印刷機能の方法を指し示しています。V5R1に始まったiSeriesは、IPPサーバーとしての役割を果たすこともできますが、これは、 IPPを使用できるクライアントであればインターネット上のiSeriesプリンターを使うことができるということを意味します。 IPP使用可能なクライアントは、iSeriesプリンターに印刷ジョブを実行依頼でき、iSeriesプリンターの機能や印刷ジョブ状況に関する情報を 入手でき、さらに、iSeriesの印刷ジョブを管理できるのです。V5R1でのUnicodeサポートは、DDSプリンター・ファイルを介して (EBCDICではなく) Unicodeデータを印刷するという機能に制限されています。しかし、これは、iSeriesにおける完全なUnicodeサポートに 向けての第一歩なのですから、将来的に可能なiSeriesの方向性を示す重要な指標だと言えるのです。

建設的な傾向

多くのV5R1機能強化(例: XML Extenders, Web-facing)と同様、新しい印刷機能は、IBMの現実の環境に対する認識やiSeriesの開発者たちが 直面している問題を示唆しています。私はこれを建設的な傾向だと思っています。iSeriesの継続的な成功を導く最良の好機は、 まずプラットフォームを強化することで得られます。iSeriesのようなビジネス・システムの場合、報告書の生成は重要なタスクです。 iSeriesの印刷機能をより高めることで、プラットフォームに対する評価維持には欠かせない中核となるビジネス・アプリケーションを 開発者がさらに容易に最新化できるよう、IBMは一役買っているのです。



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