最近、ビジネスのあらゆるレベルでLinuxシステムの数が増大していることを受け、IBMは人気製品iSeries
AccessのLinux版を開発しました。iSeries Access for Linux (5722-XL1)の最初のリリースは、5250エミュレーションおよびODBCドライバという2つの主要コンポーネントを提供するのみです。こうした機能の貧弱さは機能満載のSeries
Access for Windows製品とは雲泥の差があるものの、これらのコンポーネントはデスクトップとiSeriesの統合を可能にするために最も重要な要素のうちの2つなのです。
そうは言っても、IBMがLinux版のデータ転送プログラムも提供していれば、それにこしたことはなかったでしょう。FTPを使ってファイルを転送することはできますが、データ転送コンポーネントが持つファイルの結合、レコードの選択、データの自動変換などといった機能はありません。iSeries
Access for Linuxの5250エミュレーション機能を使用することを考えているのであれば、iSeries Accessクライアント・ライセンスを取得してiSeriesに接続しなければなりません。ODBCドライバの使用だけで十分なのであれば、追加のクライアント・ライセンスは必要ありません。本稿では、iSeries
Access for Linuxを紹介し、そのインストール、構成、使用方法について説明します。
必要条件
iSeries Access for Linuxを使用するにはiSeries Access Familyプログラム製品(5722-XW1)とTCP/IP
Connectivity Utilities for AS/400 (5722-TC1)をiSeriesにインストールする必要があります。iSeriesはV5R1以降を使用してください。STRTCP
(Start TCP/IP)コマンドを実行してTCP/IPを起動し、STRHOSTSVR (Start Host Server)コマンドを使用してOS/400ホスト・サーバーを起動します。IBMは、公式にはV5R1以降のiSeriesへの接続性しかサポートしていませんが、私がiSeries
Access for LinuxをV4R5やV3R2へ接続してみましたところ問題はありませんでした。
IBMは、公式にはiSeries Access for Linux 1.1を2003年9月22日にリリースし、製品のコードをwww-1.ibm.com/servers/eserver/iseries/access/linuxからダウンロード可能にしました。iSeries
Access for Linuxのこの最初のバージョンはIntel x86プラットフォームだけをサポートしていましたが、IBMは、将来のバージョンではiSeries
LPAR上のPowerPCプラットフォームやLinuxもサポートすることになると表明していました。
インストールと構成
今回は、CPU 1.8 GHz、メモリ512 MB、80 GBのハードディスクを備えたマシン上でiSeries Access for Linuxをテストしました。このシステムではRed
Hat Professional Workstation Version 9.0を稼動していました。LinuxシステムにiSeries
Access for Linuxをインストールする前に、まずunixODBC Driver Managerをダウンロードしてインストールしなければなりませんでした。しかしこれがいくつかの要因のためにかなり難しい作業となりました。(unixODBC
Driver Managerのインストールに関連する問題については下記「unixODBC Driver Managerの構築とインストール」をご覧ください。)
unixODBC Driver Managerのインストールが完了して、iSeries Access for Linuxをインストールする準備が整いました。iSeries
Access for LinuxはRPMインストーラーを使用しているので、その設定はunixODBC Driver Managerの設定より楽でした。Linuxの端末ウィンドウで以下のコマンドを入力しました。
接続情報を入力してOKをクリックすると、5250のメイン端末エミュレーション・セッションが起動し、図3に示す画面が表示されます。iSeries
Access for Linuxの5250エミュレーションは基本的にはiSeries Access for Windowsと同じフル機能を備えています。フォントはスケーラブルで、エミュレーション・ウィンドウのサイズを変更するとフォントも動的に変化します。エミュレーション・セッションはフォントの変更、ホットスポット、カット&ペースト機能、多言語をサポートしています。また、キーボード・マクロの登録と再生、キーボード・レイアウトや画面色のカスタマイズもサポートしています。
iSeries Access for Linuxの5250エミュレーションとiSeries Access for Windowsの5250エミュレーションの違いで重要なのは、このバージョンのリリースではiSeries
Access for Linuxは5250セッションにカスタム・デバイス名を割り当てられないという点です。本製品はデバイス・セッションに名前をつける類似の名前の機能(PC5250がショート・ネームを使用するのと同様の方法)をサポートしていますが、iSeriesが割り当てたデバイス名には影響しません。現在のバージョンのibm5250エミュレーターはセキュア・ソケット・レイヤー(SSL:
Secure Sockets Layer)をサポートしていません。
Linux版ODBCドライバ
iSeries Access for Windowsの場合と同様に、ODBCドライバを使用する前にデータ・ソースを作成しなければなりません。ODBCデータ・ソースは、基本的にはデータベースに接続するために必要な情報を含んだデータ・ファイルです。データ・ソースは、ユーザーになじみやすい名前を作成して別のODBC互換データベースと関連付けることによってバックエンドのデータベースをアプリケーションから抽出しています。複数のデータ・ソースが同時に存在することも可能です。
私はLinux端末ウィンドウを開き、ODBCConfigコマンドを入力して新しいデータ・ソースを作成しました。図4にデータ・ソース・プロパティ構成画面を示します。iSeries
Access for Windowsと同様に、unixODBCドライバ・マネージャは、ユーザー・データ・ソース、システム・データ・ソース、ファイル・データ・ソースの3つのタイプのデータ・ソースをサポートしています。ユーザー・データ・ソースは現在ログオンしているユーザーだけが利用できます。システム・データ・ソースはシステム上のすべてのユーザーが利用できます。ファイル・データ・ソースには、システム間で移動できるファイルにODBCの構成が含まれています。
私は新しいデータ・ソースを構成するために[システム・データ・ソース]のタブを選択して[追加]をクリックしました。すると図5に示すような選択データ・ソース・ドライバ・ウィンドウが表示されました。ここでiSeries
Access ODBC Driver iSeries Access for Linuxオプションを選択し、OKをクリックして図6のドライバ構成ウィンドウを表示させました。
RMTOBDC -
RMTODBCユーティリティ・プログラムはRMTCMDに似たプログラムで、iSeries上でバッチ・コマンドやCLプログラムを実行するのに使用します。RMTODBCとRMTCMDの主な相違はRMTODBCユーティリティがiSeries
Access for Linux ODBCドライバを使用してiSeries上でコマンドを実行するのに対して、RMTCMDユーティリティはOS/400
Remote Command Host Serverを使用するという点です。両ユーティリティのコマンドライン・オプションはまったく同じです。
iSeries Access for Linuxにはこうした重要なユーティリティの他にもユーティリティがあります。CWBTRCはコマンドライン式のトラブルシューティング用ユーティリティで、iSeriesに対するiSeries
Access for Linux接続をトレースします。CWBNLTBLユーティリティは、ODBCドライバがiSeriesから取り出したデータの変換方法を変更する変換テーブルをダウンロードするために使用します。最後に、CWBCOPWRユーティリティ・プログラムは、iSeries
Access for Linuxの高度な通信設定を変更するために使用します。
オープン・ソースの世界へ進出
IBMの新製品iSeries Access for Linuxの登場により、iSeriesがオープン・ソースのLinuxの世界につながるようになりました。しかしオープン・ソースだからといってすべてが無料であると誤解しないでください。5250エミュレーション・コンポーネントを使用するにはiSeries
Accessクライアント・ライセンスが必要となります。iSeries Access for Linuxの最初のリリースはまだ機能的に十分でないところはありますが、iSeries
Access製品ラインをLinuxプラットフォームに統合するための強力な機能をもたらす第一歩としては合格点といえるでしょう。
マイケル・オティ氏は小ホームページの提携誌iSeries NEWS、およびWindows & .NET Magazine、SQL
Server Magazineなどのテクニカル・エディタで、ソフトウェア開発およびコンサルティング会社であるTECA, Inc.,社の代表取締役でもあります。