1980年代にIBMの研究者達はRISCプロセッサの設計を強化し、プロセッサ・ハードウェアが複数の命令を1つのサイクルで実行できるようにしました。この機能強化のことをIBMの研究者達はスーパー・スカラーと呼びました。スーパー・スカラーRISCプロセッサは1990年にRS/6000で初登場しました。RISCプロセッサに対するスーパー・スカラーの機能強化を他と区別するために、IBMはPerformance
Optimization With Enhanced RISCの頭文字をとってPOWERというアーキテクチャ名を付けました。POWERアーキテクチャは、新しいRISCプロセッサを開発するために1991年に始まった、Apple、IBM、Motorolaの協業の第一歩でもありました。
POWER4はハイエンドのサーバーで使用することを想定して設計されていますが、POWER5チップはどちらかというとミッドレンジあるいはローエンド用の設計であり、しかもハイエンドのサーバーを強化する能力も備えています。これを実現している秘訣は、IBMが動的電力管理(Dynamic
Power Management)と呼んでいるものです。POWER5チップには、サーバー上で実行されているアプリケーションが使用しないチップ上のトランジスタを停止できる回路が追加されています。アプリケーションがより多くのコンピュータ・パワーを必要とするようになったときは停止していたトランジスタが再び始動します。