公衆ネットワーク上でデータを安全に送信する前に、VPNクライアントとVPNサーバーはデータをどのように保護するのかについて合意しておく必要があります。たとえば、認証アルゴリズム、暗号化アルゴリズム、鍵の更新間隔などといったものです。この合意は手操作によるポリシーでもインターネット鍵交換(IKE:
Internet Key Exchange)プロトコルを使用した動的な交渉でも構いません。IKEはVPNクライアントとVPNサーバーとの間のメッセージ交換メカニズムを定義します。VPNサーバーは鍵の交渉が成功するたびに接続を保護するための鍵を再生成し、攻撃者が接続状態から情報を取得しようとするのを困難にします。
ネットワーク・アドレス変換
NATはIPアドレスのある集合を別のIPアドレスの集合に変換します。NATテクノロジーが採用されている典型的な例はマスカレードNAT(別名ポート・アドレス変換
− PAT − またはネットワーク・アドレス・ポート変換 ― NAPT ―ともいう)です。マスカレードNATは複数のIPアドレスを1つのIPアドレスに変換します(図2)。NATはプライベートなIPアドレスを公衆のIPアドレスの背後に隠すことでセキュリティ機能を提供しています。マスカレードNATはIPアドレスの枯渇を軽減させる一助ともなっています。
インターネット・エンジニアリング・タスクフォース(IETF: Internet Engineering Task Force - ietf.org)はIPsec
VPNとNATの非互換性への対応として2つの標準を設計しました。1つはIKEネゴシエーション用のNATトラバーサル(RFC 3947)で、もう1つはESPパケットのUDPカプセル化(RFC
3948)です。
System iではこうした問題が上手く解決されており、図5に示す通り、TCP/UDPトラフィックが流れるときにファイヤーウォールの背後にある複数のクライアントからの同時VPN接続をサーバーは処理することができます。その他のタイプのトラフィックに対しても同じレベルの接続同時性を保つには、クライアントとサーバー間でL2TP/VPNを一緒に使用することをお勧めします。
ユーザー・データグラム・プロトコル(UDP: User Datagram Protocol)のトラフィックが、VPN(Virtual
Private Network)クライアント、サーバー、ファイヤーウォールのフィルター規則によってポート500や4500でブロックされないことを確認してください。
(ファイヤーウォール親和性の高いVPNではない)通常のVPNでは、図Aに示す画面上でのPermit
ALL IKE Trafficオプション(IKEはInternet Key Exchangeの略)を選択するかまたは何も選択しないかを選ぶことができます。このオプションが選択された場合、明示的なフィルター規則が生成されIKEネゴシエーション・パケットがUDPポート500に流れます。このオプションが選択されない場合、システムはそうしたトラフィックを暗示的に流します。
VPN構成がファイヤーウォールを通過するかどうかを構成時に判断するのは困難です。現在のところ、System iはUDPトラフィックがポート4500を予定より早く流れるようにする明示的な規則を生成していません。ファイヤーウォール親和性の高いVPNでは、Permit
ALL IKE TrafficオプションをはずしてシステムがIKEパケットをUDPポート500または4500を実行時に流せるようにします。