技術解説とヒント
<<2008年9月の目次>>
●光ファイバー・ケーブルによるLANの拡張が抱える問題
●インターネットの経路フラッピングを解決する


光ファイバー・ケーブルによるLANの拡張が抱える問題

Q:
System i ボックス上のあるインターフェースが光ファイバー・トランシーバー (FOT) とトレーニング・センターまで約 1 kmのケーブルでイーサネット・スイッチに接続されています。そのトレーニング・センターでは別の FOT が別のイーサネット・スイッチに接続されている Cat-5eに信号を返しています。特別なクラスがあるときは、本館からパソコンを抜いて、トレーニング・センターに持ち込まなければならない場合があります。こうした場合しばしば、パソコンは光ファイバー上で System i サーバーと通信できないのですが、トレーニング・センターにある別のイーサネット装置には接続できます。変更を行わず、片側でスイッチをリブート (また i5/OS もリブート) してみました。奇妙なことに、トレーニング・センターで一晩過ごしたことのあるパソコンが翌日になると必ず正常に動作します。なぜでしょうか。



A:
回答者: Mel Beckman (Penton Media, Inc.)

多くの企業が光ファイバー・ケーブルで LAN を拡張し、同様の問題を抱えている現在、この質問のタイミングは正に完ぺきと言えるでしょう。これ自体はこれから説明する ARP キャッシュ・タイミングの問題です。しかし、まず相談者が抱える問題に即効性がある解決方法をご紹介します。光ファイバー・リンクの両端で、FOT の電源を切り、またすぐに入れなおしてください。おまじないのようですが、私を信じてください。効きますから。

FOT はしばしばパッシブ・コネクターとみなされます。特に、それで銅製のイーサネット・スイッチを相互接続しているレガシー・ネットワークの場合はそうです。当然、スイッチをアクティブ・コンポーネントとみなし、FOT を単なるアダプターの一種と考えるでしょう。しかし、実際 FOT は本格的なイーサネット・ブリッジです。他のブリッジ同様、両側で接続されている装置から学習するイーサネット・ハードウェア (MAC) アドレスに基づくインターフェース間のパケットを切り替えます。2 台の FOT もまた、相互にブリッジ情報を交換します。これは、スパニング・ツリー・プロトコルを伴う複雑なプロセスで、注意しないとそういった症状が発生する可能性があるのです。

本館にある FOT は、本館のスイッチに接続されているすべてのパソコンの MAC アドレスを学習し、5 分から 5 時間といった事前設定されたタイムアウト間隔でそれらのアドレスを保持しています。相談者の場合、タイムアウト時間が長かったようです。パソコンを光ファイバー・リンクの片方へ移動すると、その位置にある FOT はパソコンの MAC アドレスを学習しようとしない場合があります。既にアドレスが (本館の FOT から取得された) テーブルに存在するためです。FOT はブリッジ・ループを発生させないためにこれを行います。

FOTの電源を切って、すぐまた入れると、MAC アドレス・テーブルがクリアされ、各側はすべてのパソコンの現在位置を学習するので、問題が解決するわけです。高度な FOT はプログラム可能で、MAC アドレスのタイムアウトを設定できます。お持ちの FOT がそのタイプでなければ、FOT の電源を切って、またすぐ入れるか、既存のスイッチを光ファイバー対応スイッチと交換して FOT を不要にするしか方法はありません。

 


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