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IBMi海外記事2014.10.30

IBM、Power8の大型モデルを発表

Timothy Prickett Morgan 著

既存エンタープライズクラスのPower Systemsのさらなる大型モデルに関心を持っている顧客に向けて、IBMはラスベガスのEnterprise2014コンファレンスに先駆けて10月6日E870とE880サーバーを発表しました。これらはPower 770+とPower 780+の後継機であり、4年前に発表されたPower 795のテクノロジーを継承しています。
新E870とE880システムはPower5マシーンが10年前に発表されて以来受け継がれてきたPower Systemsライン特有のモジュール性を取り入れるとともに、Power 595とPower 795マシーンを常に際立たせてきたハイエンドのMUMAクラスタリングとレジリエンシー機能を統合しています。
これらのエンタープライズクラスのマシーンに、IBMは不均等メモリーアクセス(NUMA)クラスタリングを使い、1サーバーノードから4サーバーノードに広がる共有メモリーシステムを作っています。Power 770+は16ソケットを有して最大64コアまで、Power 780+は同数のソケットを有して倍の128コア。両マシーンのメインメモリーは最大4 TBです。システム内にプライマリーノードを有しており、PCI-Expressペリフェラルスロットがサーバーノードの中に有ります。
Power 795は8コアのPower7プロセッサーをベースにしており、最大32ソケットまで結ぶことが可能であり、フル構成の設定で最大256コア、16 TBのメインメモリーの巨大マシーンでした。Power 795はサービス・プロセッサー、クロック、オシレーターを含むミッドプレーンを有しており、またメモリー容量をさらに増大するために十分なスペースを有していました。
なお、IBMはPower8プロセッサーで、所謂スケールアップマシーンに向けて使われるプロセッサー上にNUMAポートを増やしました。この結果、向上したオンチップ相互接続によりIBMは補助のチップセットの追加をなんら必要とせずに、相互接続のパフォーマンスを高めながら、16ソケットのサーバーを作ることができました。この結果、IBMはオンチップ相互接続を使った16ソケットのサーバーを提供することができ、またPower7+チップの2倍の能力を持つPower8によって、Power 795と略同レベルのパフォーマンスを提供する4ノードの128コアE880システムを作ることができました。IBMは計画していることですが、E880システムを192コアまで上げることによって、私の計算ではPower 795の処理能力を約40%上回るシステムになります。
E870は各4ソケットを持つ2台の5U 筐体を有しています。システムは8コアあるいは10コアの単一チップPower8プロセッサーを使っています。E870製品番号9119-MMEは4 GHzで稼働する8コアのPower8チップを使っているバージョンです。このシステムは、Centaurメモリー・バッファ・チップ上に16 MBのL4キャッシュメモリーを誇るIBM独自のDIMMメモリーカードを使いDDR3メインメモリー最大512 GBです。2ノード8ソケットすべてに最大4 TBのメモリーで64コアまで可能です。他のバージョンは、4.19 GHzで稼働する10コアPower8 スケールアッププロセッサーを使っており、8ソケット全てに最大80コアを供給します。また2ノード、4ソケットすべてが最大4TBになります。IBM Power Systems部門の製品管理ディレクターSteve Sibleyは、2015年第2四半期にE870の両モデルのメモリーを倍の8 TB、あるいは1ソケットに対して1 TBに上げると述べています。
E870のふたつのノード間は一台の2U筐体で、仮想化ミッドプレーン上にPower 795から受継いですべてアップデートされモジュールで構成されています。ミッドプレーンはフィールド・サービス・プロセッサー、Hardware Management Console (HMC)ポート、システムのタイミングを制御するマスター・システム・クロックとオシレーター、オペレーターパネル、及びVPDカードを有しています。このシステム制御ユニットのパワーサプライ、クロック、サービス・プロセッサー、HMCポートはすべて冗長になっています。NUMA/SMPケーブルがノードを結ぶのに使用されており、他のケーブルセットがノードを全体の同期に使うサービス・プロセッサーとクロックに繋いでいます。

戦略イメージ1

製品番号9119-MHEのPower E880は、5Uの 1ノードから4ノードでスケーラビリティーが2倍になっており、同じ単一システム制御ユニットを有しています。一つのモデルは4.35 GHzで稼働する8コアのPower8チップで最大128コアになります。このバージョンの各ソケットはPower E870と違って1ソケットにつき最高1 TBです。
最大のPower E880は、12コアのPower8チップ搭載で、クロックスピードがまだ発表されていませんが、192コアに拡張、メインメモリーは最大16 TBです。
この発表の時点では、8コアチップを使っている1あるいは2ノードのPower E870マシーンと同じく1あるいは2ノードのPower E880のみが入手可能になっています。
(IBMは発表の時点では正確な出荷日を明らかにしませんでした)。
これは、今日入手できる最大のE880は2ノード64コアバージョン、最大のE870は80コアバージョンということになります。2015年にIBMはエントリーの8コアチップE880を拡張する予定であり、その結果4ノード128コアまで拡げることができます。
極めて一般的に言えば、Power E870はPower 770+の後継機であり、ほぼ同価格でパフォーマンスが35%から40%向上しているとSibleyは述べています。
プレスリリースの時点では、Power E870とE880の技術的な仕様、IBM iにおけるCPW、価格等は発表されませんでした。これらの詳細はこれからフォローしてお知らせします。

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