メニューボタン
IBMi海外記事2014.11.26

IBM i ディスク使用率の危険地帯とは何か?

Joe Hertvik 著

IBM i とその先行マシンに 30 年間取り組んでいると、時に、何年もの間頼ってきたアドバイスを見直したり、やり直さなければならない場合があります。目下の論点は、IBM i パーティションが危険に晒される前に、どのようにディスク・スペースをフルにする必要があるかということです。 今月ある経験をしたのですが、ディスク使用率のしきい値を、いつ心配して、それをどのように設定するかという前提に疑問を感じるようになりました。実は、次のようなことがありました。

過去に起きたこと

かつて私は、ディスク・ストレージ使用率が 85 から 90 % を超えたら IBM OS が次のシステム・オペレーター・メッセージを発行するよう、ディスク使用率のしきい値を設定することをお勧めしました。
CPF0907 - Serious storage condition may exist. Press HELP (CPF0907 - ストレージに深刻な状況があります。HELP を押してください)
ディスク使用率ストレージが定義済みしきい値を超えると、IBM i は自動的にこのメッセージを送信します。デフォルトでは、IBM はストレージのしきい値を 90 % 使用率に設定していますが、システムのニーズに応じてその値より上または下に設定できます。私はこのレベルを 85 % に設定するよう推奨したことがあります。ランナウェイ・ジョブでディスク・ストレージが一杯になった場合に、対応する時間的余裕が与えられるからです。ディスク・ストレージのしきい値の変更方法については、このシリーズの深刻なディスク・エラーからシステムを保護するをご覧ください。

ところが、話はまだ続く

補助記憶域プール (ASP) それぞれのディスク・ストレージのしきい値を提供することに加えて、IBM i はより多くの補助ストレージ・システム値を提供しています。これらの値は、利用可能なシステム・ストレージが、定義済みの値を下回るとあるアクションが実行され、二次しきい値設定を作成します。これらのシステム値は次のとおりです。

QSTGLOWLMT--
補助ストレージの下限値で、デフォルトでは 5 % に設定されています。このシステム値は、システムが対処する前に利用可能なストレージが (一次しきい値の場合のような使用済みストレージではない) どの程度下がることができるかという二次しきい値を提供します。繰り返しますが、利用可能なストレージが極めて低くなった場合に、ユーザーとシステムに対応する時間的余裕が与えられるため、私は 10 % に設定することを推奨していますが、IBM による QSTGLOWLMT のデフォルト値では、システム・ストレージの 5 % が利用可能です。

QSTGLOWACN--
利用可能なシステム・ストレージが QSTGLOWLMT システム値で指定されたしきい値を下回る場合の対処です。システムに次の指示ができます。システム・オペレーター・メッセージ・キューにメッセージを送信する。ストレージの問題を処理するために指定ユーザーにメッセージを送信する。出口点プログラムを呼び出す。システムを制限状態にする。または、自動的にシステムの電源を切る。
深刻なディスク・エラーからシステムを保護する場合に、これらの値を設定する方法については、以前お話しした記事をご覧ください。

低ストレージを検出する 2 つの方法

これらのストレージ値を使用して、ストレージ使用で重要なしきい値に違反があった場合に、 2 種類の方法でユーザーに警告または対処します。使用済みストレージが特定のしきい値を超えた場合にメッセージを送出する手法が 1 つ。また、利用可能なストレージが異なるしきい値を下回った場合に、警告または対処する別の手法があります。
繰り返しますが、IBM はこれらのしきい値を、ストレージ使用率は 90 %、利用可能なストレージは 5 % に設定しています。これらの限界値を通過する場合は注意が必要だと理解しています。IBM i ストレージが満杯になると、マシンがクラッシュしたり、ディスクが破損して使用できなくなるおそれがあるためです。

限界まで試す

これらの値について、90 % のディスク使用率、10 % の空き領域に固定するべきだと常々信じていますが、システムがクラッシュするまで、どの程度ストレージ使用率を高めることができるかは不明です。最近、私のあるお客様がデータベースを大幅に変更しており、その実動マシンとその高可用性バックアップ・マシン両方のストレージ使用率が突然急上昇し 、90 % をゆうに超えてしまったときに、 それがわかりました。
ストレージ使用率が 91、92、93 % を切り出し、上昇を続けるのを緊張しながら見守り、マシンがクラッシュする前に DB 変更が完了するかどうか考えていました。最終的に、ストレージは実動パーティションで 95 %、HA パーティションでは 96 % を記録しました。我々はそこで中止し、データベース変更を続ける前に、多少の追加ストレージ・スペースを空にしました。
この事実から、私の最初の疑問に立ち戻ることになります。システムに問題が発生する前に、どの程度 IBM i ディスク使用率を高めることができるか、と。最近の経験では、使用済みシステム・ストレージが 96 % を超え、空き領域が 4 % を下回っている場合でも、システムは機能し続けたことがわかりました。また IBM が QSTGLOWLMT に 5 % 未満の値を設定したとき、ビッグ・ブルーは IBM i ストレージが 95 % を超えて稼働できる (これはディスク使用率 96 % という私の経験の支えになる) と信じていると思いました。
この経験から、IBM i ストレージ使用率に対する私の逃げ切り修正アドバイスは、次のように 2 段重ねです。

  • IBM ストレージはおそらく、かつてより弾力性があると思います。多数のシステムについて 90 % を超える使用率で動作する能力があり、おそらく 95 % 使用率でも動作できるでしょう。しかし、いったん使用率 90 % と IMHO を超えるとディスクまたはパーティションの縮小リスクが上がるので、程度をわきまえてください。使用済みスペースが 90 % を超えたら、あらゆる手段でストレージ使用率を 80 % の範囲、できれば 85 % を下回る範囲に下げるようにします。
  • 繰り返しますが、ディスク使用率の最適なしきい値設定 IMHO はフルで 85% です。補助ストレージ下限値の最適な設定は 10 % です。

あわせて読みたい記事

PAGE TOP