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IBMi海外記事2016.03.10

Power Systemsの業績、4四半期継続で上昇

Power Systemsには2015年よりも業績の悪い年が幾つかありました。それらのひとつが2014年度です。最新の財務報告でIBMは、Powerサーバーの売上が4四半期連続して伸び続けたことを明らかにしています。顧客が避けられないアップグレードを行ったPower8システムが寄与したことは間違いありません。

サーバーとストレージの販売及びオペレーティングシステムを担当し、ミドルウエアの販売も行っているIBM Systems部門の2015年第4四半期における売上は23億7千万ドルで、IBM内の他の部門への販売1億3千百万ドルがこれに上乗せになり、合計25億ドル超になります。税引き前利益が3億4千9百万ドルで売上の約13.9パーセントになります。利益は巨額なレベルではありませんが、System xのXeonベースのサーバーを販売し、自身のチップを作って赤字を計上していた頃を考えれば好ましい結果です。報告のとおりこれらハードウエアの売上が0.4パーセント減少し、営業利益が10.1パーセント落ち込みましたが、これはU.S.ドルが他国通貨、特にヨーロッパとアジアの通貨に対して継続して強かったことが要因となっています。通貨変動を換算しなかった場合の第4四半期における売上は3パーセント増となります。

IBMはPower Systemsの明確な数字は明らかにしていませんが、四半期ごとに示されるサーバーとストレージの売上チャートから計算すれば、売上は9.6パーセント増で16億5千万ドルとなります。一方、ディスクとテープサブシステム分野は継続して下落しており、ストレージ事業全体が11.5パーセント減で8億1百万ドルの売上となっています。その他の売上は取るに足りません。サーバーとオペレーティングシステムの売上を合計すれば、IBMのベース・システムのある種のセールス表示であり、当期売上は3.8パーセント増で21億8千万ドルでした。2015年通期ではハードウエア売上が24.5パーセント落ち込んで売上80億ドルで、X86サーバーとチップ製造部門のLenovo GroupとGlobalFoundriesへの売却が主因となっています。このようにサーバーの構成が昨年10月に変わったので同条件での比較はできません。サーバー事業の2015年通期の売上は53億3千万ドルで、オペレーティングシステムが74億1千万ドルでした。この他、ストレージが24億9千万ドルとなっています。これらの数字は、IBMがSystems x部門を持たなくても依然としてシステムの大規模なプロバイダーであることを示しています。さらにミドルウエア、データベース、及びその他のシステム・ソフトウエア、そしてメンテナンスとファイナンスを加えるとIBM Systems部門の第4四半期合計は多分83億ドルになっているはずです(IBM全体では220億1千万ドル)。
2015年度通期のIBM Systems部門の売上は221億ドルと推測されます(IBM全体では817億ドル)。
IBM iのコミュニティーにとって興味深いのは、Power Systemsは第4四半期に、通貨変動を考慮しなければ、8パーセントの伸びであったことです。これにはPower E870とE880及びスケールアウトのPower Systems LCシリーズが貢献しています。Power Systems LCはIBMがオリジナルの設計、製造者であるWistron とTyan社との協同作業で製造したマシーンです。(筆者は過去に不満を訴えたことがありますが、これらのLCマシーンはPowerVM ハイパーバイザーをサポートしないのでIBM iを稼働させることはできません。しかしながらIBMはIBM iをLinuxに向けてGoogleと協同で製造した新しいOPALハイパーバイザーに移植するはずです。)

Power Systemsの2015年度の売上は全四半期を通して上昇しました。IBMのCFO Martin Schroeterは、ウオール街のアナリストとのコンファレンスでIBM iについては多くを触れませんでしたが、UnixとLinuxが関わるPower Systemsについて「我々はPowerによって、機能を追加し成長のための新しい経済モデルを見出しながら、高い価値を持つ市場を提供している。Unixは衰退市場ではあるが、極めて高い価値を持っている市場であるため、我々は継続して取り組んで行く。また、成長を続けているLinux市場を勝ち取るためにLinuxベースのローエンドのPowerシステムを導入した。他方、OpenPowerのエコシステムを通してIPストリームをいま構築している。Unix市場は下り坂ではあるが、このプラットフォームのイノベーションとリ・ポジションニングを実現して、我々のPowerシステムは四半期を4期連続して伸び続けた。これは我々がいかに自身を変換させているかを示す良い証左」と語っています。

IBM iに関する限り、Power Systemsが4四半期連続で伸びたこと、そして2011年以来、年度ベースで最大の伸び率であった事実は朗報です。以前にも言いましたが、Power Systemsを強化することはIBM iの寿命を長続きさせる結果につながります。

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