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IBMi海外記事2020.06.24

テクノロジー リフレッシュにはデータベースの機能強化が盛りだくさん

Alex Woodie 著
トップイメージ図(盛りだくさん)

Db2 for iは、IBM iサーバーの心臓部です。そのことは誰もが認めるところです。そのため、IBMが来月、IBM i 7.3および7.4向けのテクノロジー リフレッシュ(TR)をリリースする際には、データベースを順調に動かし続けるための新たな機能や改善された機能が数多く詰め込まれていることでしょう。

IBM i 7.4 TR2およびIBM i 7.3 TR8のデータベース関連の機能強化について最新情報を得るべく、『 IT Jungle 』は、ミネソタ州ロチェスターの IBMのラボのシニア テクニカル スタッフ メンバーであり、Db2 for iのデータベース アーキテクトであるScott Forstie氏に話を聞きました。

新たなTRには、データベース関連の機能が多数あります。簡潔にするために(時間の制約もあったため)、Forstie氏は、IBM iユーザーにとって最も影響が大きいと自身が考える3つの項目を選んで説明してくれました。

1つ目は、JSON_TABLE表関数でのデータ配列のサポートです。今回のリリースでIBM i 7.3および7.4は、データ配列フォーマットで表現されるJSONデータ フィードを利用することができるようになりました。プログラマーは、びくびくしながら再フォーマット作業を行う必要もなければ、反対にデータをいじくりまわすこともなく、SQLを使用して配列フォーマットのデータを操作できるようになります。

「すべてのフィード プロバイダーが配列をパブリッシュしているだけであれば、そうした知識を学び、それを中心にしたプログラミングのやり方を覚える必要があります」とForstie氏は述べます。「これらのサンプルの1つを手本にすると、エラーとなるでしょう。」

JSON_TABLE関数に対する機能強化のおかげで、開発者は、たとえば、通貨換算や気象データなどといったJSONフィードを利用するために何か特別なことをする必要はなくなりました。これにより、特にJSON初心者にとって、JSONデータで作業するためのスキルレベルは低くなるでしょう。IBMの提供のサンプルを手本にすることができるため、大きく道を外れることはありません。

「今はクリエイティブ コンピューティングの時代です」とForstie氏は述べます。「このような知的な課題に対する初めての体験が否定的なものだと、失敗するだけで終わってしまい、それ以上追求することをやめてしまうかもしれません。」

Forstie氏が選んだ2つ目の大きな機能は、新たなCOMPARE_FILEユーティリティです。このユーティリティを使用して、ユーザーは任意の2つのファイルが似ているか否かを確認することができます。Forstie氏によれば、この新たなユーティリティは、データ エンジニアにとって非常に有用だということです。

「返された行が0個の場合は、違いは何もありません」と彼は述べます。「複数の行が返された場合は、それらの各行が、これらのファイルが行レベルでどのように異なっているかを示すことになります。データに関心がない場合は、属性を比較して、それらが同じであるか異なるかを知ることができます。」

COMPARE_FILEユーティリティは、同じデータベース内のファイルを対象にすることも、リモート データベース内のファイルを対象にすることもできます。顧客がDb2 for i向けの並列処理用のアドオンを購入している場合、このユーティリティは余っているコンピューティング パワーをフル活用できるとForstie氏は述べます。

複数のデータベースを管理しているエンジニアや、データベースを従来のDDSファイルの使用から最新のSQL作成ファイルの使用へと移行しているエンジニアは、このユーティリティの有用性を実感することでしょう。また、アプリケーションをアップグレードまたは修正していて、プログラムおよびその出力の状態を記録する必要がある開発者も同様でしょう。

COMPARE_FILEユーティリティの用途は、あらゆる種類に広がっているとForstie氏は述べています。「関係者の何人かと話をした際に、彼らがこのユーティリティについて非常にワクワクしている様を目の当たりにして驚きました」と彼は述べます。

Forstie氏は、お楽しみを最後に取っておいたようです。Db2 for iの機能改善のうち彼が選んだ最後の項目は、従来のAPIおよびCLプログラムの代わりとなっている(または、少なくともそれらを拡充している)SQLコマンドのグループであるIBM iサービスに追加されるすべてのものということです。

IBMによれば、IBM i 7.4 TR2および7.3 TR8では、28もの、新規のまたは強化されたIBM iサービスが加わるようです。それらは、既存のIBM iサービスに加えて、ということになります。「我々のチームは期待をはるかに超えてくれました」とForstie氏は述べます。「IBM iサービスの中には、誰にとっても使用してみる価値があるものがそれぞれあります。担当業務によっては、2つや3つどころではないかもしれません。」

IBM iサービスの最新バッチは、作業の自動化やシステムの自動化の方向へ多少傾いていると、このDb2 for iアーキテクトは述べます。たとえば、新たなIFS_OBJECT_PRIVILEGESユーザー定義表関数(UDTF)は、所定のIFSオブジェクトに対してオブジェクト特権がどのようなものであるかを管理者に知らせます。これにより管理者は、IFSシステムがセキュリティの観点からどのようにセット アップされているかについて理解を深めるのに役立てることができます。

「IFSは従来、非常にポピュラーで広く使用されてきただけでなく、管理が難しかったのですが、その一部はセキュリティ管理でした」とForstie氏は述べます。「あなたの会社のセキュリティ実装は適正でしょうか。会社の戦略に合致しているでしょうか。非常にシンプルですが実は非常に強力ないくつかのSQLサービスを展開することで、セキュリティの観点からの、現在の会社の立ち位置を知ることができるのです。」

もうひとつ、管理者が調べるようにするとよい新たなUDTFに、SYSTEM_STATUS_INFOというものがあります。この関数は、システムを管理するのに役立つ、IBM i区画についての詳細な情報を管理者に提供します。また、新たなDELETE_OLD_SPOOLED_FILESプロシージャーにも触れておきます。DELETE_OLD_SPOOLED_FILESは、「スプール ファイルのスペース管理という手の掛かる作業を、簡単で自動化可能なソリューションに変える」と、7.4 TR2および7.3 TR8のIBM発表レターでIBMは述べています。

IBM iサービスには、そのような時間節約ユーティリティがたくさん見られます。現時点でIBM iサービスはどれくらいあるかについては、Forstie氏でも即答してはもらえませんでしたが、たくさんと言っておけば十分なのでしょう。そして、彼の口ぶりからすると、今後何か月かの間に、さらに多くのIBM iサービスが追加されることになりそうです。

「最先端のオートメーションへの道を開く鍵となるのは、まさにこうしたIBM iサービスなのです」とForstie氏は述べます。「IBM iサービスは非常に使いやすく、非常に多くのデータにアクセスできます。照会エンジンというプログラミングの相棒があります。これまでは行わなかった多くのことを行うことができるのです。」

7.4 TR2および7.3 TR8でのデータベースの機能強化の詳細については、IBMサポートWebサイトの「Db2 for i - Technology Updates」ランディング ページを参照してください( www.ibm.com/support/pages/node/1116645/)。IBM iサービスに対するアップデートの詳細については、 www.ibm.com/support/pages/node/1119123を参照してください。

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