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IBMi海外記事2023.02.08

予想外のIBM i 7.3向けのテクノロジー リフレッシュ13

Timothy Prickett Morgan 著

皆さんも予想していなかったのではないでしょうか。もしかしたら、過去の例を踏まえて、予想していた方もいるかもしれません。しかし、先週の金曜日12月2日に、予定通り、IBM i 7.4およびIBM i 7.5向けの2つのテクノロジー リフレッシュ アップデート(前者向けはTR7、後者向けはTR1)をリリースした際に、IBMは、IBM i 7.3に対する非公式のTR13アップデートも、こっそりリリースしていました。このテクノロジー リフレッシュにより、IBM i 7.3には、IBM i の2つの現行リリースに導入されたものと同じ数多くのアップデートが加わることになります。

IBM Supportサイトの 「IBM i Technology Updates」ページ を見てみると、TR11が、IBM i 7.3向けの最後の「公式の」テクノロジー リフレッシュであることが見て取れます。TR12は、 IBM i 7.3向けの初めての「非公式の」テクノロジー リフレッシュということになりますが、こちらは5月に、IBM i 7.4およびIBM i 7.5向けの春のアップデートの跡を追う形で発表されました。正確に言えば5月24日です。

IBM i 7.3が初めて一般に利用可能となったのは2016年4月であり、多少、年数は重ねていますが、IBM i 7.3は、IBM i 7.4やIBM i 7.5と比べても、より古いマシンで稼働することから、重要なリリースであると言えます。現時点でIBMは、2023年4月28日をIBM i 7.3の営業活動の終了日に、2023年9月30日を標準サポートの終了日に設定しています。その後は、これまでの例に倣うとすれば、このIBM i 7.3リリースには、3年間ないしは4年間の延長サポートが提供されることになると思われます。これは、限られた数の修正が提供され、標準サポートに比べてはるかに高額の料金でインストレーション サポートを利用するということを意味します。

現在も購入可能であり、標準サポートの対象でもあることからすると、IBMが非公式にIBM i 7.3の修正を行うというのは奇妙なことですが、実際にTRが提供されたということです。しかし、IBMはこのようなことを行うことが時々あります。 2020年5月の、IBM i 7.4 TR2およびIBM i 7.3 TR8向けのPTFロールアップと似ています。

いずれにしても、SF99727は、IBM i R730向けのテクノロジー リフレッシュ レベル13であり、 詳細については、こちらでご確認いただけます。最終更新は12月1日で、12月2日に、IBM i 7.4 TR7およびIBM i 7.5 TR1(それぞれ、 SF99737-740 および SF99957-750 )とともにリリースされました。

IBM i 7.5 TR1では、12件のPTFがロール アップされているのみです。このことは、IBM i 7.5が最新のオペレーティング システム リリースであることからすれば、あり得ることです。IBM i 7.4では、TR7アップデートに合計95件のPTFがありました。IBM i 7.3では、TR13アップデートに合計220件のPTFがあります。これについては、テクノロジー リフレッシュはすべて累積的であるため、不思議はありません。つまり、各リリース向けの以前のTRからのすべての内容が必ず含められるということです。TR12のPTFリストを参照できなかったため、新規追加されたものがどれくらいあるか確認できず、TR13にどのような新機能があるか、いくつあるのかは分かりませんでした。ただし、TR13では大きなものが3つ追加されているようです。IBM i 7.5 TR1には12件のパッチがあることは前述した通りですが、IBM i 7.4 TR7では、12月に追加された新たなパッチは9件で、残りの86件は、以前のTR1~TR6のアップデートからのものでした。

IBM i 7.3は、Power10ベースのPower Systemsで稼働することができます。そして、TR13で追加された3件のパッチは、IBM i 7.3が、4コアPower10を2基搭載する新たなPower S1022sマシン上で稼働できるようにするものです。また、VIOS 3.1.4をサポートするためのパッチと、「将来の拡張を可能にするためのベース機能」を提供する別のパッチもあるとIBMは述べています。IBM i 7.3 TR12には5件のパッチがありました。TR11には11件、TR10には9件ありました。さらに2016年11月まで遡れば、TR1には34件のパッチがありました。

さて、ここまで見てきたのは、テクノロジー リフレッシュでの、オペレーティング システムに対するパッチについてのみです。コンパイラー、データベース、ミドルウェア、およびツールなど、IBM i スタックの他の部分についても、TRプロセスの一部としてアップデートがなされています。したがって、TRには、ここで示したよりも、はるかに多くのコード変更があるということです。

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