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IBMi海外記事2023.10.11

IBM i の認知度を高める簡単な方法

Alex Woodie 著

主流マスメディアのニュースばかりを視聴している方は、IBM i に関するニュースを見聞きすることはほとんどないかもしれません。このプロプライエタリなビジネス プラットフォームは、IBMが広告でのマーケティングを行っていないこともあり、主流のIT系の出版物でもあまり取り上げられることはありません。ところが、IBM i ビジネス パートナー企業に勤めるある有能なセールスマンが、このプラットフォームの認知度を高めるための、簡単で人の心を引き付ける方法を編み出したのです。

今月初め、 Briteskies社のエンタープライズ アカウント エグゼクティブのJosh Bander氏は、自身の LinkedInページ で、最近の友人との会話の内容を共有しました。「週末、IT業界にいる友人たちと話をしていたら、口々に、#IBMiは終わっていると言われてしまいました」とBander氏は述べています。「彼らの認識が間違っていることを証明するために、今週から、家の中にある、IBM i を使って作られている製品を写真に撮って投稿してやろうと思います。」

1枚目の写真は、Bander氏の愛車のホンダ車が写っていました。日本の自動車メーカーの米国法人、アメリカン・ホンダ・モーター・カンパニー社は、カリフォルニア州トーランスの拠点で、長年にわたって何台かのIBM i サーバーを使用しています。

3日目は、ナイキ(Nike)の靴の画像でした。このオレゴン州の伝説の企業は、少なくとも2003年(Nike社がConverse社を買収)以降はIBM i のショップであり、 All400s.comによって維持管理されているIBM i のショップのリストによれば、2021年時点でもIBM i を使用しているようです(Bander氏は今回のプロジェクトにそのリストを使用しています)。

Bander氏の自宅内のIBM i をめぐる旅の4日目に登場したのは、Broan-NuTone社製のコンロ用レンジ フードでした。ウィスコンシン州ハートフォードに本社を置き、換気ファンや様々な換気用機器の製造を手掛けるこの製造業者も、確認済みのIBM i のショップです。

家の中にクリネックス(Kleenex)ティシューはありませんか。もしあるのなら、あなたのお宅にも、IBM i のショップによって作られた製品があるということになります。クリネックス ブランドのティッシュ ペーパーを製造するKimberly-Clark社(テキサス州アービング)も、確認済みのIBM i ユーザーです。

さて、テイスターズ チョイス(Taster's Choice)のインスタント コーヒーでも1杯飲みませんか。スターバックスと比べれば、みんなのお気に入りの1杯とまでは言えないかもしれませんが、この伝統あるコーヒー ブランドにもIBM i の血が流れています。テイスターズ チョイスは、こちらもIBMミッドレンジ システムのユーザーである、スイスに本社を置く世界最大手の食品会社、Nestle社のブランドだからです(なお、 ワシントン州シアトル発のコーヒー チェーン大手 、Starbucks社も長年にわたるIBM i のショップです)。

その辺に配送ラベルが置いてあったりしないでしょうか。その配送ラベルが、カリフォルニア州グレンデールに本社を置く、配送ラベルおよび包装材料の大手メーカー、Avery Dennison社製のラベルだとしたら、IBM i のショップによって作られた日用品がもうひとつあったということです。

カリフォルニアのワイン カントリー地域(ソノマ郡周辺)にお住まいでなくても、ウィリアムズ ソノマ(Williams Sonoma)で買い物をすることはできます。しかし、実際にこの大人気のショップで買い物をしてみれば、このサンフランシスコの企業のビジネスの少なくとも一部の側面がIBM i によって管理されていることを知って安心できます。

また、もうひとつの伝統あるアメリカン ブランドである、ラバーメイド(Rubbermaid)社もIBM i のショップです。このジョージア州アトランタの企業(現在はNewell社傘下)は、2021年時点で、IBM i を稼働していることが確認されています。

Bander氏による、IBM i のショップによって作られた家庭用品の写真をLinkedInへ投稿する企画は、IBM i エコシステムからかなりの注目を集めることになり、「IBMiEverywhere」というハッシュタグがトレンドとなり始めました。どうやら、IBM i プロフェッショナルは、業績ある世界的に有名な消費者ブランドが、長年にわたるIBM i ユーザーだということを確かめるのが大好きなようです。

それではなぜ、IBMがこのようなことを行わないのでしょうか。このプラットフォームに対するマーケティングおよび広告サポートが全然足りないと、IBMのサーバー担当の幹部たちに、長年にわたって何度もせっついてきましたが、満足できる返事がもらえることはまずありませんでした。

IBMの名誉のために言えば、IBMも、IBM i 顧客についてのケース スタディをなおざりにしているわけではありません。同社のWebサイトには、約100例のIBM i 顧客についてのケース スタディや、何社かのビジネス パートナーについてのレポート記事を 掲載しているセクション があります。ホンダ(Honda)もリストに載っていますし、カートハート(Carhartt)やランプス プラス(Lamps Plus)のようなブランドも載っています。

しかし、IBMが公式に顧客として名前を挙げたことはなくても、IBM i を頼りにしている、名の通った企業はまだまだたくさんあります。世界でも最大規模で最大級の収益を上げている企業の何社かは、彼らのビジネスの少なくとも一部分をIBM i システム上で稼働しています。そして、そのこと自体は、他の企業が後に続く理由となるわけではないものの、少なくとも、世界有数の企業がIBM i システムに投資し続けていて、そうする価値があるということは伝わります。

IBM経営陣も、IBM i を頼りにしている大手企業をもっと大々的に宣伝できたらよいのにとよくこぼしていますが、彼らの言うことにも嘘はないようです。実際のところは、そうした企業自身は、公式のIBMケース スタディやマーケティング キャンペーンに関わったり、実際の広告で取り上げられたりすることに関心がないことが多いようであり、もし関心があるとしても、たいていは協力に対する何らかの見返りを求められます。

それだからこそ、Bander氏のような、公式ではない在野からのキャンペーンが、いっそう楽しく、愉快なものに思えるわけなのです。John Rockwell氏は、All400sのリストの最新状態へのアップデートに最善を尽くしていますが、このリストには、現在はこのプラットフォームから離れている企業や、そうする予定の企業も載ってはいるものの、このプラットフォームに十分満足していて、他へ移ろうとはしない顧客はもっとたくさんいるのです。

結局、IBM i で稼働している企業の非公式のリストを共有することで、たくさんFUD(不安・疑念・不信)を耳にして、プラットフォームの選択に疑問を持っているかもしれない、第一線で戦っているIT兵士の士気を高める良い方法となったようです。実のところ、このマシンを頼りにし続ける大手企業はたくさんあります。このマシンは、この先何十年も、確実に、安全に、効率的にビジネス ソフトウェアを稼働し続けるからです。

彼らは、自身のIBM iでの成功事例を世間に言い触らしたりはしないかもしれません。しかし、行ないが言葉よりも雄弁なときもあるようです。

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