2019.01.10
Alex Woodie著

IBM i 向けRFEの最新状況

機能拡張の要望(Request for Enhancement:RFE)プロセスの一環として、IBMの顧客が製品の機能強化について投票を行えるようになって1年以上になります。実際に、RFEから数多くの新機能がIBM iのテクノロジー・リフレッシュ(TR)に取り入れられました。IBMは、次にIBM iのどのような新機能または機能改善に取り組もうとしているのでしょうか。

どのRFEがIBMのプロダクト マネージャーの琴線に触れるかは正確には分かりません。RFEは、ありとあらゆる分野に広がっており、IBM i OS本体およびDb2 for iデータベースから、Access Client Solutions(ACS)やILEコンパイラーまでの幅広いコンポーネントに影響を及ぼし得るからです。これまで約500人のIBM iの顧客がRFEへの投票を行っていますが、RFEが採用されるか不採用となるかを決めるのは、最終的にはIBMのプロダクト マネージャーです。

この2年間でIBMに提案されたIBM i関連のRFEは、全部で1,000件以上に上ります。IBM ステータス コード別にざっと数えてみると、すでにリリースされたものが約180件、現時点で検討中とされているものが約180件、不採用とされたものが約180件です(すべてのRFEをExcelスプレッドシートでダウンロードできるようになっているため、RFEのステータスをより簡単に分析できます)。IBMが今後リリース予定としているRFEは37件あり、約400件のRFEはステータスが不明です。

今回の記事では、RFE Webページを掘り下げて、最近、IBM iの顧客がどのような新機能を求めているか、投票プロセスを通じてどれくらい多くの支持を集めているか、そして、IBMがそれらに対してどのように応えているかについて見ていくこととしましょう。

過去3か月間に獲得した投票数という点で最もホットなRFEは、Navigator for IBM iではIBM i Access for Windows内でIFSファイルをドラッグできるのと同じように、ACSユーザー インターフェースでIFSアイテムをドラッグ&ドロップできるようにしてほしい、というものです。このRFEは、8月にIBM iシステム エンジニアのJohn Techmeier氏により、重要度「Medium(中)」として提案され、得票数は48票でした。しかし、IBMでは「ドラッグ&ドロップは、IBM i IFSパネル間ですでにサポートされていますが、IFSパネルとPCとの間ではサポートされません」として、2週間前にこのRFEを不採用としました。

過去3か月間で2番目に人気の高いRFEは、小誌『IT Jungle』のテクニカル エディターで、Profound LogicのコンサルタントでもあるTed Holt氏が提案した、Control Language(CL)の機能要望です。CALLおよびCALLPRCコマンドのPARMパラメーターで式を使用できるようにすれば、1回使用するだけの変数をパラメーターとして使用するために宣言する必要がなくなる、とHolt氏は述べています。重要度「High(高)」とされたこのRFEは、9月の提案時以降の得票数は39票で、ステータスは現時点で「Open」です。

リストの3番目は、IBM iユーザーが、新たなオープンソース配布方式であるRPMを使用してPHPをインストールできるようにするというRFEです。「Zend ServerなしでPHPをインストールするオプションが利用可能でないと、顧客にとって不公平だと思います」と、このRFEを提案した、Seiden Group社のコンサルタントで、「Fresh Faces」の新メンバーでもあるJosh Hall氏は記しています。「Python、Node.JS、Rubyなど、他のオープンソース言語ではインストールで利用可能なので、PHPもまったく同じように扱われるべきだと思います」 重要度「High(高)」とされたこのRFEは、登録から2週間経っていませんが、得票数は35票に達し、ステータスは現時点で「Open」です。

ランキング第4位は、Techmeier氏によるもうひとつのIFS関連のRFEです。Techmeier氏は、iACSでIFSファイルを自動的にデフォルトの場所にダウンロードする代わりに、ポップアップ ボックスを表示してユーザーが特定の場所にファイルを保存できるようにすることを提案しています。また、これにより、事前にデフォルトの場所を変更し忘れた場合に、ダウンロード後にファイルを移動する必要もなくなる、と彼は指摘します。重要度「Medium(中)」とされたこのRFEは、9月の提案時以降の得票数は34票で、IBMでは現在、「Under Consideration(検討中)」としています。

ランキング第5位のRFEでは、RPGにおける変更(%SCANRPLで、*FIRSTまたは*LASTのオカレンスだけを置換するようにする)が提案されています。このRFEを提案したイタリアの提案者は、次のように記しています。「%SCANRPLはとても有用な関数ですが、時には、置換を最初または最後のオカレンスのみに制限することが必要になる場合もあります。長い可変長の文字列をプレースホルダーとともに使用しているときには、それらのいくつかは繰り返されるため、%SCANRPLを使用することができません」 このRFEは、8月の提案時以降の得票数は30票、ステータスは現時点で「Open」です。

ランキング第6位のRFEは、ACSのRun SQL Scriptsコンポーネントにインテリセンス(IntelliSense)機能を導入してほしいという要望です。オランダの提案者のRudi Van Helvoirt氏は、次のように記しています。「顧客はIBM i ACS Run SQL Scriptsの代わりにWINSQLを使用し続けています。これは、Microsoft WINSQLが提供している機能が、IBM i ACS Run SQL Scriptsの機能より優れているからです」 重要度「High(高)」とされたこのRFEは、8月の提案時以降の得票数は29票で、IBMでは現在、「Under Consideration(検討中)」としています。

RFEリストで7番目に人気の高いRFEは、iAccess Client SolutionsにおけるMacコンピューター向けのODBCドライバーに関する要望です。あるいは、そのようなドライバーがないことに関してのものです。IBM iサーバーからMacラップトップへデータをダウンロードして、Excelを使用してそのデータで作業することがどうしてできないのかと、この匿名のイタリアの提案者は様々な顧客から尋ねられているとのことです(世界中でのMacBookの幅広い人気を考えると、これは的を射た質問と言えます)。2016年10月に提案されたこのRFEは、得票数26票で、現在「Under Consideration(検討中)」です。

第8位のRFEは、「IPL時に、ライブラリーQRPLOBJがクリアされるのと同じように、/tmpディレクトリーがクリアされるようにしてほしい」というものです。IBM iではそのディレクトリーをクリアするコマンドが提供されていますが、IPL時にそれを自動化するにはもうひと手間が必要になると、このRFEを提案したVan Helvoirt氏は記しています。IBMでは、要望されたこの機能の追加はあまり乗り気ではなさそうで、「オープンソース コミュニティでは、IBM iでIPLが実行されるたびに/tmpがクリアされることが望まれるかもしれませんが、従来のユーザーはそうではありません」としています。ただし、IBMでは、/tmpをクリアする何らかのデフォルトではないメカニズムが追加されるかもしれない可能性を匂わせています。この「urge(緊急)」のRFEは、約2か月間での得票数は25票で、現在、「Under Consideration(検討中)」となっています。

9番目に人気の高いRFEは、ACSプリンター出力に関して、フィルターを保存するか、「お気に入り」のリストを作成できるようにしてほしいという要望です。提案者のBruce “Hoss” Collins氏は、スプール ファイルが適切に移動、削除、およびダウンロードされるようにするために、彼のITスタッフは毎日、手作業でフィルターをセットアップしている、と述べています。「これらのフィルターの多くは毎日同じであり、情報を変更するのには非常に時間がかかります」と彼は記しています。それらのフィルターを保存できれば、大幅な時間の節約になるとのことです。この機能に投票した他の23人のユーザーも同意見のようです。IBMでは現在、「Under Consideration(検討中)」としています。

10番目に人気の高いRFEによって、IFSが再び脚光を浴びることとなりました。これは、IFSに保存されたファイルのファイル情報が見えない問題に対処するものです。提案者のVan Helvoirt氏は、IFSのファイルからソースがコンパイルされた場合に、開発者がソース ファイル名を見ることができるようにする必要がある、と記しています。「ライブラリーのソース ファイルからのソースを使用しているときは、この情報は見ることができます」と彼は記します。「ソースをIFSへ移動すると、変更の追跡ができなくなります」 2か月前に提案され、得票数22票のこの要望にIBMは同意見のようであり、今後のリリースで修正を取り入れる予定です。

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