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IBMi海外記事2020.03.25

GoogleがPower Systemsクラウドを提供開始(ただしIBM i は今後サポート予定)

Alex Woodie 著
トップイメージ図(サポート)

先週、Googleは、新たなIaaS(サービスとしてのインフラストラクチャー)オファリング、IBM Power Systems for Google Cloudを正式に発表しました。これにより、顧客はAIX、Linux、およびIBM iワークロードを稼働して、慣れ親しんだGoogle Cloudアカウントから管理することが可能になります。Googleでは、AIXおよびLinuxについては準備完了と述べていますが、IBM iの顧客がこのクラウド オファリングの仲間に加わるには、もうしばらく待つ必要があるそうです。

 Google Cloud での IBM Power Systemsの一般向け提供は、何年もかけて取り組まれてきました。Googleは、IBMのOpen Powerイニシアチブへの最初の参加企業であり、 2014年にはPower8マザーボードを採用しています。その後、2018年にはIBM iチーフ アーキテクトのSteve Will氏が、GoogleにおいてPower Systemsサーバーを採用したIaaSクラウド オファリングが開発されていると、 POWERUpの参加者に明かしています 。そして2019年にはGoogleのエンジニアが、来たるオファリングは「IBM Power Systems for Google Cloud」と呼ばれ、Google Cloud Marketplaceを介して提供されることを 明らかにしました 。

先週、IBM Power Systems for Google Cloudオファリングの 提供開始をGoogleが正式に発表した ことで、(ほとんど)すべてのピースがようやくつながりました。Google NextカンファレンスでGoogleのエンジニアが このオファリングを発表 した9か月前から、基本的なインフラストラクチャーが大きく変わっていないとすれば、このオファリングは、バージニア州北部のGoogle Cloudデータ センター、US-East 4で稼働するPower Systems S922サーバーで提供されることになります。計画では、それらのサーバーはIBM i、AIX、およびPowerVMハイパーバイザーを使用した「bring your own Linux(持ち込みLinux)」のスライスに分割されるようです。

GoogleはIBM Power Systems for Google Cloudを正式に提供開始したわけですが、まだ完全に利用可能となったわけではありません。「IBM iは、まだサポートされていません」と、Google Cloudのテクニカル プログラム マネージャー、Andy Waddell氏は『 IT Jungle 』へのメールで述べています。「IBM iについては、今年前半 の提供開始を予定しています。」

このオファリングは、 Google Cloud Platform(GCP)Marketplaceを通じて提供されるサードパーティ オファリングです。このことが意味するのは、Googleデータ センターにおけるすべてのハードウェア、ファームウェア、およびシステム ソフトウェアの保守管理はIBMが責任を負うということです。一方、顧客が責任を負うのは、オペレーティング システムから上のすべての保守管理ということになります。つまり、ファームウェアのアップデートはIBMが適用しますが、オペレーティング システムのPTFの適用や、バックアップの実行は、顧客の側で行う必要があります。

IBM Power Systems for Google Cloudにサイン アップした顧客は、Webコンソール、API、およびコマンド ライン インターフェースという3通りの方式を介して、必要に応じてIBM Power環境を拡大縮小することができるようになります。Google Cloudで稼働しているLinuxおよびWindowsベースのX86アプリケーション ワークロードを管理するのと同じようにして、IBM Power環境を管理することができます(そうです、Google CloudはWindowsをサポートしているのです)。

Google Cloudによって提供されている Powerオファリングについての詳細情報 によると、「Starter Cloud」の場合、16個のPowerコア、160GBのRAM、および12TBのストレージが共有マシンに含まれるとのことです。この構成では最大24のVMがサポートされます。顧客が利用できる専用コアの最大数は6であり、これは、顧客が1つのVMに割り当てることができる専用コアの最大数でもあります。この構成の場合の利用料金は月額7,500ドルからで、安価ではありません(ただし、Googleによれば、長期契約には割引があるそうです)。

Google CloudでのPower Systemsは、クラウドとオンプレミスの両方の世界で最良のものを組み合わせる、理想的なハイブリッド コンピューティング戦略の実現に寄与すると、グローバル エコシステム担当のGoogle Cloudコーポレート バイス プレジデント、Kevin Ichhpurani氏は述べます。

「お客様は、信頼できるIBM Powerサーバーで SAP や Oracle といったエンタープライズ ワークロードを実行しつつ、Google Cloudが提供するすべての技術的機能と優れた経済力を活用できるようになります」と、Ichhpurani氏は、先週の Google Cloudブログの記事 で述べています。

Google CloudでのIBM Power Systemsを差別化する特長の1つは、IBMおよびPower Systemsに提供する以前にはパートナーに利用可能にしたことがなかったとGoogleが述べている、Google Cloud Platformへのプライベートなネットワーク接続性です。このネットワーキング機能によってIBMの顧客は、BigQueryやCloud DataprocのようなGCPアプリケーションであれ、顧客自身のデータ センターで稼働しているオンプレミスのPowerサーバーであれ、データおよびアプリケーションを他の資産とセキュアな方法で統合することが容易になります。

「Google CloudのプライベートAPIアクセス技術を使用すると、Google Cloudのリソースにプライベートにアクセスできるとともに、すべてのIBM Power Systemsリソース(LPAR)が、お客様が選んだプライベートIP空間を利用できるようになります」とIchhpurani氏はブログに記しています。「これは設計上セキュアであり、IBM PowerサーバーとGoogle Compute Engine仮想マシンの間の低レイテンシを可能にします。」

Google CloudでのPower Systemsは、当面、1つのGoogleデータ センターでのみ利用可能です。ただし、Waddell氏によれば、同社は2つ目のデータ センターの追加に向けた取り組みを行っているということです(これにより、高可用性の保護が強化されます)。また、同社は、Powerデプロイメント向けのカスタム構成もサポートするようです。これは、Googleが Microsoft Azure、 Skytap、そしてIBM自身のパブリック クラウド オファリングに対抗する際の、もうひとつの差別化要因となるかもしれません。

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