メニューボタン
IBMi海外記事2021.02.24

ACSの新リリースが利用可能に

Alex Woodie 著

先週、IBMは、予定通りにAccess Client Solutions(ACS)の新リリースの提供を開始しました。ユーザーは、ACSバージョン1.1.8.6で、幅広い用途にわたって生産性を促進するように設計された数多くの新機能を目にすることになるでしょう。

ACSは、管理者、プログラマー、およびエンジニアがIBM i サーバーとの対話処理を行う際に最もよく使用されている(そして有用な)方法の1つとなっている、Javaベースのユーティリティです。このソフトウェアは、IBM i の顧客にとってはメンテナンスが無償であり、5250エミュレーター、5250プリンター エミュレーション、データ転送機能、IFSファイル表示機能、スプール ファイル管理、およびLANおよびHMC管理のための仮想コンソールを備えています。「SQLスクリプトの実行」はACSの1つのコンポーネントであり、また、RPMを介して配布されるオープンソース プログラムにユーザーがアクセスできるようにする「オープン・ソース・パッケージ管理」も同様です。

IBM は、元々、IBM i 向けの 2020年秋のテクノロジー リフレッシュ (IBM i 7.3 TR9およびIBM i 7.4 TR3)の一部として10月6日にACS 1.1.8.6のアナウンスを行いました。そして12月1日より、 ibm.biz/IBMi_ACSからのダウンロードを通じて、この新リリースの提供が開始されました。

この新リリースでは、「コンテンツ・アシスト」機能にいくつかの機能強化がもたらされています。「コンテンツ・アシスト」は、SQLコマンドを書いている(編集している)際にユーザーにプロンプトを提示する、ACSの「SQLスクリプトの実行」コンポーネントの非常に有用な機能です。ユーザーは、「コンテンツ・アシスト」を使用して、よく使用されるSQLコマンドの表示や、データベース オブジェクトについての詳細情報の表示などの機能を実行することができます。

今回のリリースでは、Ctrlキーとスペース バーを同時に押すことによって「コンテンツ・アシスト」を表示できるようになりました。IBMのIBM i 担当チーフ アーキテクトのSteve Will氏は、これはユーザーの間で大いに重宝される機能となるだろうと述べています。

「長年、IBM i を使用しているユーザーなら、これは、コマンドを表示するF4のGUIバージョンと考えるとよいでしょう」とWill氏は 以前の記事で述べています。「しかし、これはF4に比べてはるかに強力です。なぜなら、構築しているSQLに対して使用できる様々なオプションをすべて確認できるからです。1つのスクリプトから別のスクリプトへ引き継ぐことができる設定オプションを集めて取得する手助けをしてくれるため、そうするたびに設定オプションを設定する必要がありません。」

また、IBMは、「コンテンツ・アシスト」の対象範囲を、追加のSQLステートメントおよびより多くのSQL構文にまで拡張しました。「開発チームは、「コンテンツ・アシスト」サポートのアップデートに夢中になっています」と、IBMのアプリケーション開発およびシステム管理担当アーキテクトのTim Rowe氏は先日のウェビナーで述べています。「ますます多くのオプションが追加されており、プロンプトだけで、ごく単純なSQLのみならず、かなり複雑なSQLも構築できるようになっています。」

また、「SQLスクリプトの実行」にも注目が集まっています。「SQLスクリプトの実行」は、様々な機能のためのあらゆる種類のSQLスクリプトをユーザーが実行できるようにするACSの機能です。IBMは今回のリリースで、設定ダイアログを統合して強化しています。また、新たなユーザビリティおよびパフォーマンスの機能強化も提供され、利用が完了しなかった照会を自動的に終了する機能も追加されました。

ACS 1.1.8.6では、IFSを参照する際の操作感が、大幅に向上したと感じられることでしょう。IBMは、何千ものIFSオブジェクトを「ほんの数秒間で」返すことができると述べています(IBMが「超高速IFS」と呼んでいる機能)。

Will氏によれば、この1つの機能だけで、IFSとACSの両方が強化されるとのことです。「以前のテクノロジー リフレッシュで行った機能強化では、IFSの表示したい部分をサブセット化できるようにする機能を追加しましたが、これらの2つの機能を組み合わせることにより、まさに想像できる限り高速にIFSとACSを使用できるようになります」と彼は述べています。

また、今回のリリースでは、複数ファイル アップロード機能がACSに加わりました。これにより、一度に複数ファイルを移動できる、より強力な機能がユーザーに提供されます。Willによれば、これは、長い間、多くのクライアントのウィッシュ リストに載っていたものだということです。

さらに、IBMは、Mac OSおよびIBM i 向けのIBM i Access ODBCドライバーも提供しています。これは、以前から利用可能だったWindowsおよびLinux向けのドライバーとともに使用できます。IBMによれば、これにより、ユーザーがアプリケーション パッケージを作成してデプロイする方法が簡素化されるとのことです。

最後に、ACSは、別個のJavaランタイムのインストールを必要とすることなく、IBMのフル機能のIDEである、Rational Developer for IBM i(RDi)から起動できるようになりました。

あわせて読みたい記事

PAGE TOP