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IBMi海外記事2023.05.24

無人でのIBM i の運用は増加し続けている

Alex Woodie 著

IBM i サーバーの伝統的な強みの1つは、長時間、無人で稼働できることです。どうしても手動操作が必要になる時もありますが、IBM i の管理のために必要な人員は、他のビジネス プラットフォームに比べてはるかに少なく済みます。また、Fortra社の「IBM i Marketplace Survey」の最新のデータによれば、IBM i のショップの3/4以上では、オートメーションを取り入れているということです。

Fortra 社(旧HelpSystems社)は、2022年秋に、数百のIBM i のショップに対して、サーバーの台数と種類、それらのサーバーで稼働しているソフトウェア、どのように稼働しているかなど、IBM i の稼働環境について様々な質問を尋ねています。調査回答者全体の77%は、通常稼働時間後にIBM i サーバーを完全に無人で稼働していると回答しています(前年より2ポイント増)。

こうした数字を見て、HelpSystems社(現Fortra社)で長年、テクニカル サービス担当バイスプレジデントを務めてきたTom Huntington氏はホッとしたようです。

「私が市場で常に重点を置いてきたのは、オートメーション関連だったため、調査回答者の77%がシステムを完全に無人で稼働しているとの回答を見て、思わず笑みがこぼれてしまいました」と、調査結果について解説を行った2023年1月のウェビナーでHuntington氏は述べています。「実に素晴らしいことです。」

オートメーションは、セキュリティに重点を移す前の、Fortra社の主力事業でした。Fortra社は、Robot製品ファミリー(特にRobot Scheduleおよびそのルール ベースのジョブ スケジューリング機能)によって、IBM i のショップ向けのシステム監視および管理ツールの信頼できるプロバイダーとしての評判を確立しています。

完全に無人で稼働しているIBM i ユーザーのパーセント
完全に無人で稼働しているIBM i ユーザーのパーセント
出典: Fortra社によるIBM i 市場調査。

もちろん、このプラットフォームでオートメーションを実現する方法は、Fortra社製品だけではありません。IBM i のショップは、IBM i オペレーティング システムで提供されている機能を使用して、ルーチン業務にオートメーションを組み込むことができます。管理者は、サードパーティ パッケージ製品に一切費用を掛けなくても、CL(制御言語)を使用して、IBM i の運用業務の様々な面を自動化することができます。

また、Ansibleも利用できます。これは、監視および一部の管理タスクを自動化するためにIBMが推し進めてきた、 Red Hat 社の軽量なオープンソース環境です。IBMは、 1年前に Ansible on Powerソリューションを提供開始しましたが、どこで聞いても、IBM i の世界で支持を得てきているということです。

「このプラットフォームは、作業管理、CL(制御言語)、オープンソース、付属するその他もろもろのおかげで、無人で稼働できるプラットフォームなのです」とHuntington氏は述べています。「できるできないの問題ではなく、考え方の問題です。」

オートメーションは、長い期間を掛けて、増加傾向になっています。Fortra社がこの年次調査を始めた2015年には、無人で稼働しているとの回答は50%でした。この値は、2017年に66%まで増加した後、2020年には49%に低下しています。

Fortra社は2022年の調査で、設問の言い回しを「IBM i の運用は、完全に無人で行われていますか」から、「通常勤務時間後、IBM i の運用は完全に無人で行われていますか」へと変更し、Fortra社が強調しようとしていたオートメーションのタイプがより正確に反映されるようになりました(一方、通常勤務時間中は、問題が発生したらいつも通りにオペレーターや管理者がすぐに対応できる体制ということになります)。その結果、「はい」と答えたパーセンテージは、75%へと急増しています(対前年比21%増)。

急増分のうち、どれくらいが設問の言い回しの変更によるものかは不明です。変更が、ある程度パーセンテージを上昇させた可能性はあります。以前の設問の言い回しでは、夜間および週末に完全自動で稼働していても、日中、有人稼働していてる企業は「はい」とは答えられなかったからです。

急増に関しては、もちろん、Fortra社は別の見解を示しています。すなわち、COVID-19です。同ベンダーによれば、社内勤務から在宅勤務への移行により、オートメーションは「フル スピードへ」加速されたということです。「働き方の改善は続いて行くため、オートメーションが増加傾向を示すことを期待しています」と、2022年版レポートで同社は述べています。

Robot製品ラインであれ、古き良きCLであれ、あるいはAnsibleのようなより新しいオープンソース製品であれ、IBM i のショップは、サーバー運用業務を自動化する方法を模索しています。自動化することで、そうでない場合に比べて人員の数をより少なく抑えられます。IBM i CTOのSteve Will氏によれば、それこそが、今日に至るまで利益をもたらし続けている長年のIBM i の強みだということです。

「顧客が別のプラットフォームで稼働している規模の業務を、IBM i と同じくらいの少ない人員数で稼働することはできません」と、1月のFortra社とのウェビナーでWill氏は述べています。「そこでのそうした費用対効果が重要です。そして、同じ数だけのソフトウェア パッケージおよびメンテナンス パッケージなどを購入し直す必要はありません。私たちがこのプラットフォームに導入した統合およびオートメーション機能があるからです。」

Fortra社の「2023 IBM i Marketplace Survey Results」レポートおよびウェビナーは、 こちらでご覧になれます。

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