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IBMi海外記事2023.05.24

セキュリティに対する支出はさらに増える一方である

Timothy Prickett Morgan 著

時として、数字が大き過ぎると、ほぼ意味が分からなくなってしまうことがあります。区切り方にもよりますが、ITハードウェア、ソフトウェア、およびサービスに対する世界全体での支出額は、3兆4,000億ドルないしは4兆5,000億ドル以上になります(これには、世界中の企業のIT部門すべての人件費や、ハイパースケーラーやクラウド ビルダーに勤務するプログラマーおよびサイト リカバリー エンジニアすべての人件費は含まれません)。実際、これらの数字は非常に大きな数字です。しかも、何千万人分の人件費抜きでの数字です。ちなみに、私たちで大雑把に推計したところでは、人件費の総額は、ほぼ同じくらいの額になるようです。

世界経済全体のGDP(国内総生産)は、100兆ドルほどであるため、7兆ドル~9兆ドルの間というのは、なかなか大きな割合であり、IT支出は、全支出の約7%~9%を占めているということになります。

これまでにこのような計算をしたことはなかったため、実際に計算してみると、多少、衝撃的かもしれません。しかし、ITセキュリティについて検討する際は、そうしたことをすべて考慮に入れて検討したいと思っていたところもあります。ITセキュリティは、運が良ければ2023年にはおそらく1%または2%伸びると見込まれる世界全体のGDPや世界全体のIT支出に比べて、何倍ものスピードで伸びています(2024年の景気後退という見通しが増えており、予測はすでに下降しています。経済というのは、感情によって動かされる経済見通しによって刺激された感情によって駆り立てられる自己成就的予言であるからです)。今年は世界全体のGDPおよびIT支出はまったく伸びないかもしれませんし、あるいは立ち直るかもしれません。実際のところは分かりません。感情が不安定になると、人は神経質になり、そうなるとまた、感情は不安定になるからです。

少し落ち着きましょう。 真面目な話です。経済が無に帰することはありませんし、30%以上下落することもめったにありません(そう書いたときは、冗談交じりだったのですが、多少、ゾッとしています。 それでも大丈夫、また回復するでしょう)。

世界全体のITシステムのセキュリティに関しては、まさに今、心配すべきことがあります。フィッシングやランサムウェアやハッキングが世界中に蔓延しているためです。だからこそ、ITセキュリティ関連の支出は、天井知らずに増えているわけです。

最新のIDC社のレポートによると、今年の世界全体でのITセキュリティに対する支出は、2022年の支出水準から12.1%増の2,190億ドルになると予測されており、2026年には3,000億ドルに達すると予想されています。

「セキュリティ製品およびサービスに対する支出は、IT支出全体の伸びを上回り続けるでしょう」と、この予測が記されているレポートで、IDC社のデータおよびアナリティクス担当アソシエート リサーチ ディレクター、Serena Da Rold氏は述べています。「クラウドおよびコンテナの導入拡大、リソースへのリモート アクセスのセキュリティ確保の必要性、プライバシーおよびデータ保護の法令のコンプライアンス要件によって促される形で、ほぼすべての業界および企業規模で、2026年までは2桁台前半の数字での伸びとなるでしょう。より成熟した業界(最大の支出者でもある)では、平均に比べてもより急速な伸びになるでしょう。分散した勤務環境でのランサムウェア攻撃を防止および回避するため、また、ますますITネットワークに接続されるようになっているクリティカルなインフラストラクチャーを保護するために、最先端のセキュリティ ソリューションに投資し続けるからです。」

IDCによれば、セキュリティ ソフトウェア(どのような形態のものも含めて)は、2023年のセキュリティ支出2,190億ドルのほぼ半分を占め、2022年~2026年の5年間の年平均成長率は13.7%となるということです。IDCは、数字を出し惜しみすることが時折あります。データの販売が生業であることを考えれば無理もありませんが、2026年には、セキュリティ ソフトウェア支出は1,750億ドルほどになると見積るべきです。マネージド セキュリティ サービス(これがIBM iセキュリティ市場での基盤となると私たちは考えています)は、今年の支出では420億ドルを占めると予想されます。IDCはCAGR(年平均成長率)を示していませんが、ITセキュリティ サービスは5年間の予測で11%増となると述べています。

2023年の技術カテゴリーごとの市場シェア(数値(年平均成長率))
2023年の技術カテゴリーごとの市場シェア(数値(年平均成長率))

興味深いのは、支出額だけではなく、様々なセキュリティ オプションにわたってのかなりの支出だと私たちは考えます。

ご自身のセキュリティ支出を照らし合わせてみてください。同じような割合になっているでしょうか。セキュリティがIT予算の10%近くまで届いていないとしたら、十分に支出しているとは言えないかもしれません。

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