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IBMi海外記事2023.12.20

2023年秋のTRでのRDiおよびRPGの機能強化

Alex Woodie 著

RPG開発者は、IBMによる最新のテクノロジー リフレッシュ(TR)の発表から、RDi開発環境に対する機能強化やRPG言語そのものにおける新機能など、いくつかの注目せずにはいられない新機能がもたらされるのを目にするでしょう。

RPGはもうじき65年目を迎えますが、年老いた犬と同じように、このプログラミング言語は新しい芸を覚えることができます。IBM iプロダクト マネージャーのAlison Butterill氏によれば、IBMがIBM i 7.5 TR3および7.4 TR9でその由緒ある言語にもたらした機能強化により、力強い一連の改善が続けられます。

「7.5発表以降のTRには、RPGに関するものが、少なくともいくつかは必ず含まれています」とButterill氏は『 IT Jungle』に述べています。「新しい機能の追加は今後も続きます。」

今回のリリースで、IBMは、IBM Rational Developer Studio for i(これにはRPGおよび他のILE言語向けのコンパイラーが含まれています)に、列挙型および新たな組み込み関数のサポートを追加しました。

多くの言語には、列挙型のサポートがあります。列挙型は、定数として機能し、変数およびプロパティで使用することができる一連の名前付きの値で構成されるデータ タイプです。IBMは、新たなDCL-ENUM定義グループを通じて、フリー フォーマットRPGで、この新たな列挙型機能を提供します。

こちらの「RPG Café」の記事によれば、列挙型定数は、名前付き定数を使用できる場所であればどこでも使用できるということです。列挙型の名前は、配列を使用できるほとんどの演算命令で配列として使用できるとIBMは述べています。列挙型はフリー フォーマットでのみ定義することができ、一方、定数はフリー フォーマットまたは固定フォーマットで定義することができるとIBMは述べます。列挙型は、新たなDCL-ENUM命令コードで呼び出すことができます。

一方、新たな%LEFTおよび%RIGHT組み込み関数は、RPGプログラマーの選択肢を増やします。これらの新たなBIFは、ストリング内の左端および右端の文字を返します。IBMが 「RPG Café」の記事で説明しているように、これらの新たなBIFは、2文字バイト ストリングでも動作します。

これらの新たなRPG関数のサポートは、VS CodeなどのWebベースの開発ツールの高まる人気をよそに、IBM iコミュニティで最も広く使用される統合開発環境(IDE)であり続けている、Rational Developer for i(RDi)に追加されます。

IBMは、RDi 9.8.0.1に対していくつかの機能強化を行ったと述べています。それらの1つは、iDocフォーマット(RDi 9.8.0.0でサポートを追加)を使用して作成するドキュメントを開発者がより詳細に制御できるようにします。開発者は、作成したドキュメントの見え方をより詳細に制御できるようになります。また、IBMはヘルプを利用しやすくしています

IBMは、個々のRDi「未使用」アノテーションを抑止するためのiDocタグを追加しました。また、未使用アノテーション用の新たな「@IGNORE」タグも追加し、クイック・フィックス機能を通じてそれを利用可能にしています。また、クイック・フィックスは、どのような未使用アノテーションに対しても機能するようになりました。最初にコンパイルや検証を行う必要はないとIBMは述べています。

空行の追加は、あまり大したことではないように思われるかもしれませんが、ヘッダーとその真下の最初の定義の間に空行を入れると、区切りをよりはっきり示すのに役立ちます。また、新しい長さがレコード長より長い場合に、IBMは「Refactor Rename」による行の折り返しを許可にするようになりました。

RDiのIBM i検索機能は、最後のメンバー フィルターを保持し、また、デフォルトで、メンバーの名前を汎用値に設定するようになりました。接続名を識別したい場合、開発者は、タブの上にマウス ポインタ―を合わせることによって、そうすることができるようになりました(以前は、システム名が表示されていました)。

また、IBMは、RDiのヘルプ メニューから役に立つリソースへのクイック リンクも提供します。たとえば、RDi内部から IBM Support を起動して問題を報告する機能や、 IBM RDiコミュニティ ポータルを通じて、質問を尋ねたり、既存の質問や回答を検索したりする機能、 IBM Ideas Portal内で新しいアイデアを提案したり、既存のアイデアに投票したりする機能にアクセスしやすくなりました。

IBM i 7.5 TR3の発表レターは こちら で、IBM i 7.4 TR9の発表レターは こちらでご覧になれます。また、IBMがリリースを予定しているすべての機能強化についての詳細情報は、 「IBM i Technology Updates」Webページにて参照することができます。

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