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IBMi海外記事2022.07.13

IBM i およびPower Systemsにサブスクリプション料金プランが登場

Timothy Prickett Morgan 著

クラウド コンピューティングの出現と進化は、この15年間、IT市場に多大な影響を与えてきました(あるいは、1960年代~1970年代の企業コンピューティングの黎明期に大規模システム向けに普及していたタイムシェアリングやレンタルサービスをベースに作り替えたもの、と言う人もいるかもしれませんが)。しかし、おそらく、クラウド コンピューティングが与えた最大の影響は、ハードウェア取得と永続ソフトウェア ライセンス(併せて両者のテクニカル サポート)から、よりシンプルなサブスクリプション料金モデルへと、IT予算をシフトさせることだと言えるでしょう。つまりは、コストが長い期間に分散され、ITウェア支出が貸借対照表の資本的支出(CapEx)の部から運用支出(OpEx)の部へ移されるということです。

IBMは、5月3日のアナウンスメントの一部として、IBM i ソフトウェア スタックのサブスクリプション期間ライセンスの提供を発表しています。まずは、コアとなるIBM i 7.5ソフトウェア向けおよびユーザー イネーブルメント ライセンス向けの両方で、P05ソフトウェア ティアのエントリーPower9マシンから開始されるということです。また、IBMは、IBM i のサブスクリプション料金モデルを、より上位のP10、P20、およびP30ソフトウェア ティアへと広げ、他のPower Systemsハードウェア モデルをサブスクリプション料金の対象に加える意向も表明しています。より長期的には、IBMは、サブスクリプション料金モデルを、IBM i 上で稼働するライセンス プログラム製品(LPP)へと拡張する予定のようです。そして、最終的には、一元化されたサブスクリプション プランの下で、システム ソフトウェアおよびハードウェアのバンドルを提供するという「開発意向表明(SOD)」もあります。

以下に、サブスクリプション料金モデルのロードマップを示します。

※テーブル一覧表示
サブスクリプション料金モデルのロードマップ

正確な料金プランはまだ明らかにされていませんが、IBM i オファリング マネージャーのAllison Butterill氏によれば、IBMでは、料金体系をどのようにするべきかについて目下検討中だということです。大筋としては、サブスクリプション期間は1年~5年間、契約期間中キャンセル不可、サブスクリプション料金は永続ライセンスのコストより低額とする、ということのようです。ということは、サブスクリプション料金は、永続ライセンスの費用に「ソフトウェア・メンテナンス」の費用を加えた額よりは低額になるということです。どうやら、IBM Software Group部門には、永続ライセンス コストを基にして、サブスクリプション料金をいくらにしたらよいか弾き出す標準方程式があるようです。私たちも、その方程式がどのような式なのか、そしてIBM i スタックおよびハードウェアに対して料金がいくらぐらいになるか探っているところです。

これはオファリング開発として実に興味深いものだと思われます。このサブスクリプション オファリングには、「ブルーレイク(BlueLake)」という名前を付けてはどうかと、IBMには提案したいと思います。

発表レターに目を通し、さらなる情報の確認ができ次第、続報記事にて、このサブスクリプション オファリングの仕組みがどのようなものになるかお知らせするつもりです。本記事の出稿時点では、すべての情報にアクセスできていませんので、取り急ぎ、速報いたします。

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