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IBMi海外記事2023.06.14

IBM、ジョブ スケジューラーや他の新機能でNew Navを強化

Alex Woodie 著

4月11日にIBMが発表した新たなテクノロジー リフレッシュ(TR)のおかげで、IBM i プロフェッショナルは、ようやくNavigator for iからAdvanced Job Schedulerにアクセスできるようになります。しかし、このジョブ スケジューラーは、IBMで利用を強く勧めている、管理者およびパワー ユーザー向けのこのスタイリッシュな新しいWebベースのインターフェースにIBMが導入している、数多くの新機能の1つに過ぎません。

2021年の秋に IBM i 7.3 TR11および7.4 TR5のリリースで新たなNavigator for iをお披露目した時点では、新たなAngularベースのコードベースを特徴とし、SQLサービスを利用してIBM i からデータを取得するこの新製品に対して、既存バージョンでIBM i プロフェッショナルが利用していたすべての機能を追加し肉付けして行く時間的余裕はまだあるとIBMは考えていました。

ところが、New Navのお披露目からわずか数か月後に、Log4jセキュリティ脆弱性 が表面化し、旧バージョンのNavigatorがハッカーによる攻撃の被害を受けやすいことが明らかになりました。パッチが提供されなかったことから、IBMは、深刻な脆弱性(CVSSスケールで最大値の10ポイント)を突かれるリスクを回避するためにも、ユーザーにできるだけ早くNew Navへ移行するよう促しました。

また、IBMおよびその開発パートナーは、旧Nav製品にあった機能をNew Navに再現する 取り組みを加速することで 、脆弱性だらけのクライアント インターフェースを使用(あるいは5250グリーンスクリーンでのCLコマンドの使用へ逆戻り)しようとしているユーザーを新製品に誘い込もうとしました。昨秋のTRでも、IBMはNew Navに、Performance Data Investigator(PDI)、Content Manager On Demand(CMOD)、およびLightweight Directory Access Protocol(LDAP)などの 機能を追加しています

IBMは、今月のTRでさらに前進しました。IBM i 7.5 TR2および7.4 TR8では、Navigatorユーザーは、毎日24時間体制で処理を自動化できるようにする強力なジョブ スケジューリング機能、Advanced Job Schedulerにアクセスできるようになりました。

それは前進の足跡だとIBM i プロダクト マネージャーのAllison Butterill氏は述べます。「New Navigatorに、旧Navigatorにあった機能を取り込み、さらには、開発が進行中の機能や要望の多い機能を追加する取り組みは今も続いています」と彼女は『 IT Jungle』に述べています。

Navigator for iでは、Advanced Job Scheduler(IBMはその開発を Fortra 社(旧HelpSystems社)に委託しています)の他にも、Domain Name Service(DNS)、Distributed Data Management(DDM)、Netサーバー、および新たなデバッグ サーバーおよびサービスなど、IBM i における様々なネットワーク設定の構成や管理のサポートが強化されています。

New Navで、新たなカスタマイズ可能なテーブル フィルタリング機能を利用できるようになります。また、IBMは、このインターフェースでSQLをフォーマットおよび色分けするための新たなオプションを追加しています。管理者向けに有用なものとしては、新たなQSYSOPRマルチシステム ビューが追加されます(1つのインターフェースから複数のLPARを監視できる機能は、New Navでの、旧バージョンに対する大きなアップグレードの1つだったことが思い出されます)。

また、Navigator for iユーザーは、IFS(統合ファイル システム)との間でファイルをアップロードおよびダウンロードできるようになり、新たなテーブル タブを使用してIFSでのディレクトリー ノードを表示できるようになります。さらに、サーバーのステータスを知らせる新たな印刷可能なプロパティ ページや、その他のサーバー プロパティのビューも追加されています。 作業管理の面では、事前開始ジョブのサポートが強化されているとIBMは述べています。一方、セキュリティ関連では、クライアントは暗号化サービスをサポートするようになります。

「このバージョンのNavigatorで加わる新機能は枚挙にいとまがありません」とButterill氏は述べています。「旧Navigatorから移植されたものもあれば、アドバイザリー カウンシルから寄せられた新たな追加の要望によるものもあります。」

Advanced Job Schedulerの追加という大きなプロジェクトは完了しましたが、IBMのNew Navに関する「やること」リストには、項目がまだいくつか残っているようです。BRMS(Backup, Recovery, and Media Services: バックアップ・リカバリーおよびメディア・サービス)のサポートも、その1つです(IBMはその開発を Pinnacle Business Systems社に委託しています)。また、New Navでは、PowerHAはまだサポートされていません。さらに、Advanced Function Printing(AFP)フォームのサポートも、リストに加えることができます。

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