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IBMi海外記事2023.06.14

2023年春のTRでのアプリケーション開発の機能改善

Alex Woodie 著

IBM i 7.5および7.4向けの最新のテクノロジー リフレッシュによって、IBM i 開発者は、RDiの新規リリースや、コンパイラーにおける新たなRPGおよびCOBOL関数など、お待ちかねの心躍るいくつかの新機能を手にすることになります。

先週、IBMは、2023年春のIBM i 7.5 TR2および7.4 TR8の発表の一環として、Rational Developer for i(RDi)の新規リリース(バージョン9.8)を発表しました。バージョン9.8により、このEclipseベースの統合開発環境(IDE)に新たな機能がもたらされます。

IBMの発表レターによれば、RDi RPG and COBOL Tools Editionは、現時点ではMicrosoft™ Windows™およびApple macOSで稼働します。

RDi RPG and COBOL Tools Editionバージョン9.8の主要な新機能の1つは、Eclipseバージョン4.23のサポートです( Eclipse 財団によって2022年3月にリリース。最新リリースはバージョン4.237)。このバージョンは、新規の基本機能を提供し、特にGit、XML、Maven、およびGradleなど、他の最新のアプリケーション開発ツールとの統合を向上させるとIBMは述べています。

また、RDi 9.8では、Eclipseのプロビジョニング プラットフォームで、IBM Installation Managerの代わりとなる、p2のサポートも導入されます。p2は、開発者に代ってインストールおよびアップデートを管理することにより、プロビジョニングの作業プロセスを大幅に改善するとIBMは述べます。

「p2を使用してソフトウェア コンポーネントをインストールすると、プラグイン間の従属関係が自動的に解決され、ソフトウェア コンポーネントが自動的に構成されます」と IBMは述べています。

また、IBMは、この発表レターで、「Statement of general direction(今後の方向性に関する声明)」も公表しています。そこでIBMは、Red Hat Enterprise Linux 9ワークステーションでのRDi RPG and COBOL Tools 9.8の稼働をサポートする予定だと述べています。また、このIDEのIBM Installation Managerでのサポートも予定しているということです。いずれに関しても、目途とされる時期は示されていませんが、IBMでは珍しいことではありません。

RDi 9.8は、新規リリースであり、修正パックではないとIBMは述べています。つまり、RDiの新規インストールが必要だということです。また、このリリースで使用する必要がある新規のライセンス アクティベーション キットがあります。RDi 9.8は、4月28日に一般に利用可能となります。RDi for i RPG and COBOL Tools Edition 9.8についてのIBMの発表レターは、 こちらでご覧になれます。

この他にも、アプリケーション開発に関するニュースはまだまだあります。IBMは、IBM i 7.5 TR2および7.4 TR8の発表に合わせる形で、Rational Development Studio for i(RDS)製品で提供されるILE RPGおよびCOBOLコンパイラーのアップデートも行っています。

RPGには、今回のリリースで数多くの新機能が追加されています(いつものことですが)。まずは、%SPLIT命令コードの機能強化として、すべての区切り記号に対して値が返されることを指示する特殊パラメーター、*ALLSEPが有効化されました。

また、ユーザーがストリングから左端または右端の文字を返すことを可能にする、新たなストリング組み込み関数、%LEFTおよび%RIGHTもあります。一方、新たなBIF、%PASSEDおよび%OMITTEDは、パラメーターが渡されたかどうかをユーザーがテストすることを可能にします。

SELECTは、オペランドを使用するように機能強化されており、新たな命令コード、WHEN-ISおよびWHEN-INは、SELECTオペランド内で比較する値、または比較する値の範囲またはリストを指定するとIBMは述べています。

最後に、CRTBNDRPGおよびCRTRPGMODに新たなコマンド パラメーター、PPMINOUTLNが追加されています。これは、RPGPPOPTパラメーターが*LVL1または*LVL2の場合にCRTSQLRPGIによって使用される一時ファイルのレコード長を制御します。このパラメーターは、CRTSQLRPGIのCOMPILEOPTパラメーターを使用することによって指定されるとIBMは述べています。

COBOLについては、COPY REPLACINGステートメントおよびREPLACEステートメントが、LEADINGおよびTRAILING句の追加によって機能強化されているとIBMは述べています。これにより、ユーザーは、レコード内の文字またはストリングの先頭または末尾のオカレンスのみを置換できるようになります。

また、CRTBNDCBLおよびCRTCBLMODの新たなコマンド パラメーター、TGTCCSIDは、コンパイラーによって使用されるCCSIDを指定して、IFS内のUnicodeソースからのコンパイルを可能にするとIBMは述べています。

RPGユーザーもCOBOLユーザーも同様に、PCML(Program Call Markup Language: プログラム呼び出しマークアップ言語)生成時に、標識パラメーターでの新たなブール属性を利用できるようになります。

RDS専用の発表レターは提供されていません。RDSに関して発表された機能強化の詳細については、 IBM i 7.5 TR2 および 7.4 TR8の発表レター内の「Rational Development Studio for i (5770-WDS)」セクションを参照してください。

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