メニューボタン
IBMi海外記事2024.06.12

IBM i 市場におけるビジネス アプリケーションの使用状況をグラフから読み解く

Alex Woodie 著

IBM i のショップは、オープンソース プログラム、パッケージ アプリケーション、および自家製ソフトウェアなど、信じられないほど多種多様なソフトウェアを稼働しています。ビジネス アプリケーションに関しては、Fortra社による「IBM i Marketplace Survey」の9年分のデータが、使用状況を把握する一助となるでしょう。

IBM i プラットフォームは、生まれつき、アプリケーションを稼働するためのものでした。このことは、Application System/400という、最初に付けられた名前にも表されています。1988年のAS/400の発表を受けて、ソフトウェア ベンダーはAS/400をサポートしようと群れを成しました。年月とともに数は減っているものの、このプラットフォーム上で稼働するアプリケーションの開発およびサポートは、力強い主要なベンダーによって引き続き行われています。

IBM i プラットフォームは、企業が使用する最もクリティカルなアプリケーションを稼働するように作られており、ERP(エンタープライズ リソース プランニング)パッケージに分類されることもよくありました。銀行業であれば、顧客の預金および出金を記録するコア バンキング システムを稼働するということになります。流通業またはトラック運送会社であれば配車管理システムを、小売業であれば販売管理システムを、病院であれば電子医療システムを稼働するということです。

コアとなるビジネス アプリケーションの何パーセントがIBM i 上で稼働していますか?
Fortra社 「2024 IBM i Marketplace Survey Results」

Fortra 社による2024年版のIBM i市場調査に参加したIBM i のショップの70%以上が、「コアとなるビジネス アプリケーション」の半分以上をIBM i 上で稼働していると回答しており、さらに、43%のショップは、そうしたアプリケーションの3/4以上をIBM i 上で稼働していると回答しています。データベース連動型アプリケーションは、IBM i における代表的存在です。ファイル、印刷、メール、またはWebサービスを処理するワークロードを稼働するためのシステムをお探しなら、他を当たった方がよさそうです。IBM i サーバーも、そうした付随的なIT機能を稼働できますが、多くのIBM i のショップでは、こうしたよりクリティカルでないワークロードは、より処理能力が低いWindowsおよびLinuxシステムに任せています。

IBM i チーフ アーキテクト兼CTOのSteve Will氏は、IBM i のショップが、最もクリティカルなアプリケーションの大部分をIBM i サーバー上で稼働していることは驚くに当たらないと述べています。

「これは完全に納得のいく話です」と、1月23日の「2024 IBM i Marketplace Survey Results」ウェビナーでWill氏は述べています(ウェビナーは こちらでご覧になれます )。「IBM i を愛用してくれているクライアント ベースがIBM i を使用するのは、それくらいクリティカルなビジネス プラットフォームであるからなのです。だからこそ、彼らのクリティカルなビジネス システムにとって常に最良のプラットフォームであるようにするべく、私たちは投資し続けているのです。」

「Marketplace Surveys」の一部で、Fortra社は調査参加者に対して、彼らのクリティカルなビジネス アプリケーションがどのベンダー製なのかという点について尋ねています。2024年版調査では、自家製ソフトウェアが圧倒的であり、調査回答者の70%が、独自のビジネス アプリケーションを社内で開発していると回答しています。これは、「自家製ソフトウェア」の例年の数字の範囲(64%~76%)の延長線上と言えるでしょう。

2016年から2024年までの9年分の「Marketplace Surveys」のデータをグラフ化することで、どのパッケージ アプリケーションが最も広く使用されているのか、また、時間の経過とともにそれぞれのERPシステムの採用率がどのように変化してきたのかを視覚的に把握しやすくなります。Infor、Oracle、SAPのビッグ スリーが上位を占め、これに、IBM i におけるフットプリントが小さいいくつかのベンダーが続いています。

Infor 社は、長い年月の間に、BPCS、MAPICS、System/21という3つの中核的なERPシステムや、M3、PRMS、Infinium、KBM、PRISM、Anneal、A+のような業種特化型のERPなど、十数社以上の様々なIBM i ベンダーを買収しています。市場調査グラフで示されているように、Infor社の市場シェアは、2021年調査の10%(最低値)から2016年調査の26%(最高値)の間で推移しています。2024年のシェアは、各種ERPシステムをまとめて、11%となっています。

Oracle社のIBM i におけるフットプリントは、2種類のJD Edwardsシステム(WorldおよびEnterpriseOne)から成ります。これらは、2004年にOracle社が、JD Edwards社を買収したばかりのPeopleSoft社を買収したことで取得したものです。JD Edwards製品(もっとも、Oracle社は 同製品を終了するプロセスを進めていますが)の市場シェアは、2022年版レポートの8%(最低値)から2020年版レポートの16%(最高値)まで様々でした。2024年は10%で、これは期間全体でのほぼ中央値です。

唯一、買収を通じてIBM i 顧客ベースを開拓することのなかったビッグ スリーの一角である、SAP社は、20年以上にわたって、R/3で、そして現在はBusiness SuiteでIBM i をサポートしてきました。このドイツの巨大ソフトウェア企業については、IBM i での安定した採用率が見て取れます(同社も、S/4 HANAのクラウドでの稼働に向けて、 同社のIBM i 製品を終了する プロセスを進めています)。同社のシェアは、2021年に突然11%へと急増し、2022年には6%へと急落しています(これはおそらく、実際の市場のダイナミクスというよりも、Fortra社が独自に選択した統計サンプルの制限によるところが大きいと思われます)。2024年のシェアは8%でした。

「Marketplace Surveys」のデータによれば、IBM i におけるインストール ベースに、ある程度の増加傾向が見られるベンダーが他にも2社あります。1つは Manhattan Associates社で、同社の有名なIBM iベースのWarehouse Management System(旧PkMS)の採用率は、2018年の3%から2024年の6%へと増加しています。もうひとつは Fiserv社で、Signatureと呼ばれる同社のIBM i 向けコア バンキング システムの採用率は、2015年の3%から2023年の5%へと増加しています(2024年のシェアは4%でした)。

その他のIBM i ベンダー、すなわち、 Jack Henry (バンキング)、 TMW (トラック輸送)、 Euronet (バンキング)、 Medhost (医療)、および McKesson (医療)については、過去9年間の採用率は、それぞれ0%~2%となっています。 明らかに、IBM i 向けソフトウェアを開発しているソフトウェア ベンダーは、(さらに)10社以上あります(もっとも、これら上位のベンダーの約1/3は、近い将来または遠い将来のある時点でIBM i のサポートの終了を予定していますが)。そのため、「Other(その他)」のカテゴリーには、あらゆるベンダーを自由に記入できることから、数多くの様々なベンダーがすべてこのカテゴリーに入ることになります。

自家製ソフトウェアとともに、「その他」のカテゴリーは、IBM i ベンダー エコシステムを支えるもう一本の柱となっており、一貫して「IBM i Marketplace Survey」の回答者が挙げるアプリケーションの1/4を占めています。

何百とまではいかないものの何十ものベンダーが「その他」にひとまとめにされていますが、その多くは、それぞれ特定の業種ないしはミクロな業界で顧客のためにきちんとした仕事をしています。「その他」があまり認知されていないのは残念ですが、それでもやはり、そうしたベンダーが、あちらこちらで、このユニークなビジネス プラットフォームを活用し、顧客価値をもたらしているというのは喜ばしいことです。

あわせて読みたい記事

PAGE TOP